田布施地区は、3人の首相が出た不思議な地域と論じている記事がある。
それだけならいいのだが、それを変に妄想発展させて、天皇家を貶めたり、由緒正しい安倍家や小泉家を被差別朝鮮人としてしまう記事がある。
藩史や延喜式神名帳をサラッと見るだけで、こうした理論がいかに奇抜なものかが分かるのだが、信者はいたって本気にも見える。
その妄想力には感心するが、いささか基礎知識の欠如もある。
さて、田布施同様に、歴史的人物の輩出した(または深く関与する)場所は結構あるのだと言う例を昨日実家近くを例にとって説明した。
もうひとつ、多少私に関係すると思われる地域で考えてみた。
ここも、なかなかすごい地域である。
大人の足なら中心部(現在の那珂川町中心から)1時間で行ける範囲内に、日本屈指(場合によっては世界屈指)の物があったりする。
①那須国造碑
日本三大古碑のひとつ。
水戸黄門が地元民が橋として使用しているものが古碑であることを発見し、神社建立。
②下侍塚(古墳)
著書の中で日本一美しい古墳としている。
水戸黄門によって整備された古墳。
③浄法寺
忍者行脚とも言われる『奥の細道』。
とにかく、すごいスピードで奥州を歩いている。
ところが、急いでいた旅であるにもかかわらず、この浄法寺には半月も滞在。
かえでなる少女がえらく気に入ったようで、後日養子にも同じ名前を付けている。
『奥の細道』の中で、芭蕉の鼓動が感じられる場所だ。
④那須小川古墳群
国の史跡にもなっている、古墳群。
単に数が多いだけでなく、いろいろな種類の古墳が密集している。
関東の小奈良とか小京都とも言われる所以である。
⑤平将門につながる横穴。
この類のもので国の史跡指定は大変珍しい。
今は知らないが、かつては管理がやや悪く、山奥に中に隠れていた。
⑥御前岩
女陰道祖神では、おそらく世界屈指の自然信仰岩。
日本歴史上最後の女帝であり、かつ重祚した孝謙天皇(称徳天皇)ゆかりの岩。
道鏡を恋しく思った天皇が、道鏡に合わせて大きくなった博多・ボボ様という伝説がある。
いくら道鏡でも、これはいささか大きすぎ!
私が子どものころは隠された存在だった(水戸黄門が不適切ということで隠した)が、
現在は観光地になっているようだ。
道鏡の流刑地とは数十kmはなれている。
なお、個の地図には入っていないが、あと5km北には西行柳、さらに北西には
インド・華陽夫人→殷。妲己→日本・玉藻前と妖女に化身した九尾が殺されても毒を吐く石(殺生石)
もある。
平家物語で、戦争途中で矢比べをして勝った那須与一生誕地にも近い。
この付近は、古来、高天原や須佐之男伝説がある所で、古老が水戸黄門と論争したことも古伝に残る。
奈良大仏に使った金も、このあたりで発掘されている。
御用邸や御料牧場にも近い。
また、皇太子に深くかかわる延生地蔵も、この近くである。