【酸苦朱話】常識か?非常識か? ②謙遜 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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「分かったわ。素晴らしい性能だわ。あなたのところと契約します」

「ありがとうございます」
「そうそう。おなたの息子さんは、もうずいぶん大きくなったのでしょう」

「ええ。変に口応えするバカ息子ですが」


「……!」

「……。あのう、何か?」

「この契約は、破棄させていただきますわ」

「えっ?でも、今しがた契約されるとおっしゃっていただきましたが」


「自分の子どもさえコントロールできないばかりか、バカ呼ばわりする。自分の子どもさえ自慢できない人の作った製品が、よいはずがありません。それから、先ほどあなたは、私へのプレゼントとしてチョコレートを渡す時に、『つまらない物ですが』と言ったわよね。さっきは我慢してたけど、はっきり言うわよ。相手につまらない物を渡すような方は、最低です。でも見逃してやったわ。でもね、もうダメ。相手につまらない物を平気で渡し、自分の子どもさえコントロールできず、自慢さえできない方は、完全にアウトです。あなたたちの国の言葉で言うなら、ブッダの顔も三度まで。分かった?」




トホホ。

日本の控え目、謙遜という感覚は全く通じない。


少なくともその相手にとり、私は無責任で無礼な相手であった。

たぶん私は、常識知らずの人間に相違ない。


謙遜を美徳ととらえられる民族は、非常に少ないようだ。