海外、特に東アジアと呼ばれる地域に滞在していた方なら、題名を見ただけであらましの記事内容を予想できるかも知れない。
東アジアにおいて、国の発展という名前の影に隠れた、日本では報道に取り上げることを憚られた地域の話だ。
九龍(カオルン、クオルン)と言ったなら、まず出てくるのがイギリス領時代の香港だろう。
世界一危険な場所とされ、映画やゴルゴ13などの漫画の舞台としても何度か出てくる場所だ。
香港が中国に返還される少し前には整備され、一般人も歩ける場所になったらしい。
かつてその地域は九龍城と呼ばれ、警察さえ危険で近づきたくなかった場所であったと聞く。
私の先輩の1人は、仕事の関係で何度か行ったことがあったらしい。 周りからはよく無事でと言われていたらしいが。
もう1人の先輩は、九龍城内ではなかったようだが、近くの飲み屋で意識不明に陥り、朝起きたらパンツ一丁になっていたようだ。まあ、命とパンツがあっただけ幸いだねとなった。
幸い私には、そのような経験はない。
が、とある美女からもらったキャンディを口にしてしばらくして、周りがグルグル動いた経験はある。
冷や汗を掻きながらも、平常を装おってはいたが。
今の若い香港人で、九龍城を知っている人がどれ程いるかは知らない。 が、確かにそれは存在した。
九龍城のあった半島から離れた香港島の外れには、主にベトナム人やカンボジア人たちの住む地域があって、一度だけその地域にある工場に案内されたことがある。
この時の記憶は、今でも鮮明に覚えている。
もともと暑い香港。
さらにその工場は、ビニル加工のような作業をしていた。クーラーなどない。
高温多湿だけではなく、そのビニルの焼けた臭いに、胃の中のものがかけ上がってくるのを、私は必死に抑えていた。
それでも、九龍城とは比較にならぬ、安全で清潔な場所だったらしい。
もう1つの九龍は韓国・ソウル近郊にある。
ここにも行ったことはない。噂では知っていたが。
昼間の番組で、なんと朝日テレビがその場所を紹介していた。
かつ、コメンテーターに三橋貴明さんと黒鉄ヒロシさん。
あらま。朝日テレビさん、何か変なものでも食べたかな?
私の視点では常識的、理論的に思われる方々が座っていらっしゃる。
しかも、確実に破壊するとか、生まれ変わらないとダメだ、あるいは無視しよう、日本も素直に嘘に従ってばかりじゃダメだとか言ってまする。
いやはや、朝日テレビさん。どうしたのかな?
韓国の九龍村は、少なくとも日本の報道ではタブーだった場所。
日韓併合前の韓国が、そこにあった。
なお、ひとつだけ苦言させていただくと、漢江の奇跡というフレーズは何度か出てきたが、漢江の悲劇という言葉は一度も聞かれなかった。
こちらはいまだに、タブーの箱に入っているのであろう。