【タブー破り④】(旧約聖書) | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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キリスト教信者たちにとっては、旧約聖書とよばれるものがある。
この呼び方はユダヤ教徒の方々にとっては、実に失礼な日本語訳だが、日本ではこの呼び方が一般的と思われるので、私も失礼を承知で使わせてもらおう。

なお、旧約はユダヤ教、キリスト教、イスラム教の共通した聖典に近い。


旧約におけるタブー破りの場合、待っているのはだいたいが死である。
なぜならYHWH(ヤハウェ、ヤーヴェ、注;エホバという発音は誤り音が固定化したもの)は妬み嫉む神だから、いいつけに背くことは許さないからだ。
つまり、タブー破りは死を意味する。 それを試すために我が子を殺せという命令まで出したりする。
私の感覚からすると、なかなか凄まじい。
信じぬ相手は全滅させても、けして悪いことではなく、むしろ良いことだ。


そんな中で、いくつか面白いタブー破りをピックアップしてみる。


★失楽園
・アダムとイブは楽園で平穏な暮らしをしていたが、1本の木の実だけは食べてはならぬという掟があった。
・蛇がイブを誘惑し、その木の実を食べさせてしまう。
・イブはその実をアダムにも与えた。
・タブーを破った2人は楽園を追放される。また、蛇は罰として皆に呪われる存在となった。

注①;リンゴなどという言葉は出て来ない。
注②;ヘブライ語の蛇とイブはほとんど同音。日本語も似ている。



★ロトの妻
・神がソドムを灰燼にきそうとした時、神を信じたロトとその家族は救おうとした。
・ただし、ソドムから逃げる際には、けして振り向かないよう命じた。
・ロトの妻はこれを破り、振り返ってしまった。
・タブーを破ったロトの妻は、塩の塊になってしまった。

→ギリシャ神話・メドゥーサの話に似る。
→古事記・イザナギとイザナミの話にも似る。




★ハム族
・ハムはノア(方舟で有名)の息子だが、裸で寝ている父を見て興奮し、父を犯してしまう。
・ハムの子孫は、セムとヤフェトの僕になる呪いがかけられた。




★バベルの塔
・セム族が、天にも届くような塔をつくり、神をないがしろにした。
・神は怒り、それまではひとつの言語しかなかったが、民と言語をバラバラにして、お互いの意志疎通ができないようにした。





★サムソンとデリラ
・サムソンは、生まれた時から髪を切ってはいけないと神に命じられていた (髪が怪力の源)。
・敵のスパイである妻デリラに騙され、その力の秘密を教えてしまう。
・髪を剃られ力を失ったサムソンは、敵に捕まり辱しめを受ける日々が続く。
・何日かして髪が伸びてくると、サムソンは力を取り戻す。
・縛られていた柱もろとも破壊し、敵の町全体と一緒にサムソンは石の下敷きになってしまう。




旧約には、現代の感覚では非常識、あるいは日本では詐欺にあたることも平然と書かれている。
が、その話は別の機会にでも。