
もう半世紀も昔の話だ。
21世紀初頭には石油は枯渇し、我々は新しいエネルギー源を至急開拓しなければならないという話が大々的に宣伝されたことがある。
しかしながら、21世紀に入ってしばらく経つが一向にその気配はない。むしろ埋蔵量が過去より増えていたりする。
これには、新しい技術開発により化石燃料の埋蔵地と量をより精密に探索、採掘できるようになったからだという言い訳がつくが。
いずれにせよ、今世紀初頭の石油枯渇は夢物語だった、ということが証明されたわけだ。
これに似た、夢かうつつか判断がつかないものを考えてみた。
盛んに言われる地球温暖化の元の元となるものは、19世紀以降の世界平均気温の上昇傾向である。
が、待てよ!
この世界平均気温って何だ?
本論に入る前に、簡単な例から考えていこう。
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A君は身長160cm、B君は身長180cm。
さて、平均身長は?
答えは170cm。
まあ、これなら理解できる。
では、次の場合はどうだろうか?
2つの村人のどちらが豊かかを調べるために、村人の貯金を調べました。
A村では村人10人全員が、100万円の貯金がありました。
一方、B村にも10人の村人がいますが、1人は貯金1億円、残り9人は貯金がありませんでした。
さて、では比較してみましょう。
A村の村人1人あたりの貯金平均は、100万円です。
一方、B村では合計1億円の貯金があるわけですから、1人平均1000万円の貯金があることになります。
もう、お分かりですよね。小学1年生だって分かる。B村の村人のが,A村の村人よりずっと豊かです!
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なーんて話を、なるほどなるほどと頷けますか?
私の感覚では、B村のが貧しいと思います。
さらに言うなら、貯金がたくさんある=豊かですか?
世界平均気温の出し方、考え方には、これに似た幾多の問題があります。
また、表に出すデータの調査の期間にも、非常に問題があります。
このあたりは少しややこしい話になりますから、次回にでも。
とにかく、“平均”とか“傾向”とか言われそれなりのデータを出されると、私たちは意外に簡単に騙されてしまいます。
ただし、テレビ・新聞発表やら国会答弁、世論調査、あるいはマニフェストを鵜呑みにするのはかなり危険だとわかる政治を、前政権はしてくれました。
これは前政権の果たした、数少ない立派な業績です。
たぶん、つづく。
