★実録★ジジイのお白州 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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つい今しがたのことである。
駅前にある代官所の門を叩いた。

「なんだじいさん、朝の散歩して家に帰れなくなったのか?」

先ほどまで西洋ラッパを鳴らしながら馬車を走らせ、やっと代官所に戻ってきたばかりのお代官様の付き人風情が言う。


「ちげえやす。てえへんなものを見つけてしまったので、ご報告にめえりやした」


「ふーん。なんだ。隣の猫が八つ子でも産んだのか?」


てんで取り合ってくれない。


「ちげえやす。ちげえやす。トラの野郎が飛び出しちまったんで」


「ほら、野良猫の家出の話ではないか」


「まちげえやした。フーテンのトラじゃあなくって、アツミのケチな野郎です」

と、付き人の顔色が変わった。


「じいさん。あんたのなめえは?」


「へい。しま爺でありおりはべりいまそかり」


「ジジイ、おめえさんが生やしたのか。さすればきっときついお沙汰があるであろう」



げっ!
疑われたずら。



しゃあない。
代官様言葉を使うっかねえか。


「そもそもアツミのケチな野郎は、海の外より食を本邦に入りてより、その肥料、飼料、食品、栽培種に混入するは必定。かかる“世出下痢無”の瑞穂にはびこるは、たうぜんにて悲しゅうこそ思はめ」




「なんでジジイ“世出下痢無”の名を?ますます怪しい。いつわりなく真を申さば許し解かむ」



ということで、例のやつが道端に生えている場所を知らせてきました。


しま爺の平成夜話 ★島ちゃんオジィシャレブログ-NEC_0002.jpg

綺麗なのですが……。