
ずいぶん間があいてしまった。
前回は日本ではツタンカーメン(より似た発音としては、トゥットゥ・アンク・アメン)まででした。
この歴代王の墓標から名を消された王の父親が、エジプト国建国以来最大の宗教革命を起こします。
紀元前のエジプトには、現在の日本同様八百万の神々いらっしゃいました。
が、ツタンカーメンの父は、それを太陽(の光)だけを神にしようとし、他の神々を祀ることを禁止させました。
が、これは旧来の神官たちから猛反発にあい、志半ばにして父王は他界します。
あるいは暗殺されたのかも知れません。
この太陽を唯一神とする宗徒の一派が、後のヤハウェ信仰へとつながったという説は昔からあるようです。
ヤハウェというのは、日本などでは誤った発音をそのままうのみにし、エホバとも呼ばれている絶対唯一の嫉妬深い神(自らそう宣言しているようだ)です。
太陽と火の神(ヤハウェはいろいろな姿で現れますが、十戒などでは火の姿をとる)は確か似ています。
なお、本来生まれてすぐに息を止められるはずのユダヤ人奴隷のモーゼ(マシャ?)が、姉のミリアムの知恵で王家で育てられることになります(実の母は、やはり姉の知恵で実の息子の乳母となる)。
このミリアムがなまって、キリスト教のマリアになったという説もあるようです。
しかし、キリスト教というのも見方を変えると変わっています。
キリスト教ではイエスがキリストだとし、そのイエスを売ったとされるユダは裏切り者となり、やがてはユダヤ人を排除するような動きが出てきます。
しかし、彼らが神とするイエス自身がユダヤ人です。
なぜユダヤ人を排除したかったのか。このあたりはかなり深い理由がありそうです。
話を戻しましょう。
エジプトからの脱出には成功したものの、砂漠の中で彷徨い食うや食わずの日々が続くと、奴隷とはいえ腹が満たれていたエジプト時代を懐かしく思う輩が出てきた。
そんな彼らはエジプトにならって、ヤハウェの神のもとでは禁じられている神の像を作り祝うようになる。
これをミツライム(エジプトの意味)と呼んだ。
ヤハウェの預言者でもあるモーゼは、こうした輩を許さず、身内とはいえ滅ぼそうとする。
旧約では、そんな輩は殲滅されたことになっている。
が、私の妄想小説では、逃げのびた一部が東に旅をすることにしよう。
彼らはミツライムと同じく八百万の神々を信じ、マアト(宇宙の真理)に従って生きる民となる。
彼らの間ではやがて、ミツライムはマツリに、マアトはマコトという音に変わっていった。