トラトラトラの日である。
つまり、夷猿がまんまと茶ー散るの策にはまった日である。
その日彼は、してやったりと満面の笑みを浮かべ極上のワインを開けたらしい。
まあ、あちらからみたら策略の勝利を確信した日に違いあるまい。
植民地から入ってくるあぶく銭に文句を唱えた夷猿に痛いお灸をすえ、将来の金の卵産み=夷猿が見えたからだ。
当時の夷猿の国は、あと少しした後の同国に似ている。
あらゆるものを外から頼らなければならない仕組みを造りあげ、完成したところで、その供給を停止する。
と、夷猿たちは腹が減って、ついに隣の柿の実を取ろうとするだろう。
そうしたらめっけものだ。
泥棒野郎に思いっきり、石つぶてを投げられる。
自分が隣村のリンゴ、ミカンぱかりか台所の肉魚をちょろまかしているのは忘れている。いや、より正しくは、白鮫なら当然の権利だから、なんら不思議を感じない。
三角山から年代ものの香木をかっさらい、自分ちの庭に正々堂々と展示してさえいる。
やがては、夷猿の敬う偶像もここに付け加えてやろう。
世界的な名宰相茶ー散るは、確かに陰愚乱弩にとっては類稀な宰相だ。
が、我ら夷猿にとっては、なんとも食えぬお方でいらっしゃる。
ちなみにある発禁本では、茶ー散るは、50くらいの階層のある、あるしくみの中で、上から8番目か9番目の階層に仲間入りした。
これは歴代米米クラブ大統領を含めて、政治家としては五指に入るものである。
米米クラブ大統領のトップは、なんと7番目くらいの階層にメンバーとして承認を受けたらしい。
これは眉唾ものだが、米米クラブ大統領でさえ、そのくらいの力を宣伝できる役者魂があったのかも知れないし、またよく言うことをきくおりこうさんだったのだろう。
