そこで出てきた絵のひとつが、『最期の晩餐』と呼ばれている壁画。

あっ、間違えた。
これは私が描いた『サイコのバさん』だった。
正しいのはこっち。

(修復前)
さて、ダ・ヴィンチ・コードで話題になったのが、ナザレのイエスの隣に座る人物。
この人物の服装と体つきに注目したのが、かの作品である。
この晩餐に立ち会った人たちの中で、イエスと非常に似た赤と青を重ねた衣装を纏っている。

(ナザレのイエス)

(ナザレのイエスのすぐ隣に座る人物)
この人物は女性であり、おそらくマグダラのマリアだ、というのがダ・ヴィンチ・コードの推論である。
あと少し近づいてみよう。

確かに。男性にしては体つきも表情もおかしい。
ダ・ヴィンチは相当なひね爺さんのようだから、あるいは、ダ・ヴィンチ自身あえて女性と分かるように描いたのだろう。
しかし、実はこの絵には、ダ・ヴィンチ・コードでも語られなかった事実がもう1つある。
それは、さらにもう1人女性が描かれているということだ。

この人物、端の方で分かりにくいが、また、襲(かさね)は反対だが、やはり赤と青の衣装に身を包んでいる。
この骨格は男性のものではない。

その指先もまた、女性のそれである。
私はこちらがマグダラのマリアだと思っている。
そして、ダ・ヴィンチ・コードでマグダラのマリアとした、ナザレのイエスの右隣に座る人物は、マリアその人だろう。
この推論の根拠は長くなるし、また、まだ検証が不十分だが。
ダ・ヴィンチは人や動物を描く際には、その骨格、筋肉に肉付けして描いている。


ダ・ヴィンチはミケランジェロの絵を見て、「女性が1人もいない」と笑ったとも言われている。
確かに、ミケランジェロの絵画には、女性の骨格を持つ女性は描かれていない。みな、筋肉隆々の男性に女性の顔をつけた絵になっている。
この『最期の晩餐』は不思議いっぱいの絵(特にあり得ないナイフを持つ手が有名)だが、疲れたからこのへんで。

