[解説]作品の作り方 (50人前) | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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まずは事前準備です。

亜鉛インゴット、つまり亜鉛の塊を用意します 。水なら1リットル分くらいです。ペットボトル1本分くらいかな。

これを溶かして金型に流し込みます。溶けた亜鉛は一瞬で固まります。

作品が冷えやすいように、作品の底には丸い穴が空くよな金型を作ります。

この穴は単に冷えやすくするだけでなく、材料費も節約できるからです。

また、後工程作業が楽になります。

型に溶かし込んだ亜鉛が固まって、作品の原形ができるまでに約1秒かかります。

これを水に入れて冷やし、底にできたバリ(金型からはみ出した亜鉛の襞)をヤスリなどで削り取ります。

さらに、作品全体が光り滑らかな曲線を描くように、小粒の砂などを入れ洗濯機のようなものに入れ、しばらく撹拌します。


やがて、滑らかで光りに満ちた作品が出来上がります。


アルミニウムのがより美しいラインを描けますが、手に取ると軽すぎるため、重量感のある亜鉛や錫合金を使ったほうが、ありがたいような気分にさせます。



なお、ここからは超高級品の話になります。
日本だと最低でも10万単位、下手すると100万単位という代物です。

最初に説明した大量生産作品が1個原価50円ならば、これは1個あたり1500円もかかってしまいますから、日本で100万というのもやむを得ないでしょう。

材料も銅という超超超高級品を使いますから、高くても仕方ないですよね。

亜鉛が1キログラムあたり水と同じくらいで、150円から200円。
一方、銅は同じ重さで500円も600円もします。
ですから、1キログラム近い作品が100万でもやむを得ないでしょう。

さて、作り方です。

原形を作るまでは、亜鉛とほぼ同じです。

が、この後が大きく違うのです。
亜鉛作品の場合は研磨して光らせましたが、銅の作品ではむしろ錆させます。

ただし、普通に錆させているのでは時間がかかりますから、こうします。

赤く銅色に光った作品を希硫酸に浸けます。
そうしますと、作品の表面が酸化されてザラザラになります。

そのままでは、やがて全体が溶けてしまいますので、一旦希硫酸を洗い流します。
これをヘドロのような土の中に埋めて、待つこと2、3年。

ロードス島で発見されたような、美しい錆のある作品が出来上がります。


材料費は1体1000円くらいですが、これだけ人の手がかかっていますから、100万でも安いですよ。







と知って、買う人いるかなあ。


まあ、好きな人は買ってもいいと思います。


私は遠慮しておきますがね。