[田舎小説]東京 その3 ★少しだけ事実を 、でも、ちょっとだけよ | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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いや、昨夜飲んだ秋葉原の話ではない。

非常にシビアな話だし、政治に興味ない方、今の政府に賛同している方は読まない方がよい。
おそらく、気分が悪くなるだろうからだ。
さらに、批判は受け入れるが、文章、理論を理解しないで、ただ乱暴なコメントをいただくのは疲れるからだ。

さらにまた、私と同じハンネを持つ方のような、意味不明のコメントも正直嫌であるからだ。
だから、現政府を推す方は見ない方がよい。






さて、本題に入る前に簡単なクイズをしよう。


★日本で一番南にある都道府県はどこですか?


中学受験生なら、9割は正解のこの問も、意外と大人は間違ってしまう。
大人でもかなりの割合の人が、沖縄県と答える。

残念。

日本で唯一北回帰線より南にある、つまり熱帯に属する島を持つ都道府県は、東京都である。

もちろんこれは、これから購入しようとしている尖閣諸島のことではない。


尖閣諸島は北緯26度近く、沖縄南部と大差ない緯度にある亜熱帯の島だ。

一方、唯一熱帯に属するその島は、北緯約20度。台湾を通り越しフィリピン北部と同じ緯度にある。

香港より南、いやベトナムのハノイよりも南にある。
この日本最南端の島を沖ノ鳥島という。
干潮事には、東京ドーム数百個分のさんごの陸地が顔を出すが、満潮時には畳1畳とか2畳とかいう岩しか残らない。
しかし国際法上、満潮時に人工物によるものではない陸があるから、島である。

が、これにいちゃもんをつけ、国際司法裁判所に訴えている国が2つある。
中華人民共和国と大韓民国である。



沖ノ鳥島は、満潮時の最高標高が1メートルに満たない(インターネットでは15センチメートルという数字もある)ため、いつ波で洗われ消えてもおかしくはない。
そのために国は、島の周りに防波堤を築き、島自体にも風雨の侵食を出来る限り抑えるためにチタン合金の覆いをかぶせた。


なぜ、単なる岩のようなものにそれほどのことをしたのか。


それは、単なる岩どころか、日本全土よりも広いからだ。



! ?

えっ?満潮時には畳数畳、干潮時でさえ東京ドーム数百個分しかないのに、なんで日本全土より広いとなるのだ?
頭おかしくないかい?

そう思われる方もいるかも知れない。







日本全土(ロシアに実効支配されている北方領土を含む)は、約37万平方キロメートルだ。

が、沖ノ鳥島の持つ排他的経済水域、つまり自国が優先的に漁業採掘を行える面積は、なんと40万平方キロメートルを超える。
しかも、日本海や東シナ海などのように、他国と重なりあう水域はない。

つまり、沖ノ鳥島があるがゆえに、我が国は広大な経済水域を持っていられるわけだ。


が、これには非常な危険が伴っている。


たかが岩と、爆破でもさせられたら、一瞬で我が国は国土以上の経済水域を失う。

面倒だから、飛ばしてしまえ。

そんな考えをする輩がいてもおかしくはない。

現に、尖閣諸島かどこかも、そんな話があったとの噂も聞く。まあ、これは噂止まりだが。

現政府の背中には大陸と半島がいる。マスコミも利用できる体制になった。



沖ノ鳥島の場合は、爆破せずとも、島を消してしまうことは可能だ。


予算削減やらなんでも理由は後付けできる。



沖ノ鳥島には、魚介類など食糧ばかりが、我が国の未来を担うエネルギー、鉱物資源も豊かなのだ。



国同士仲良くしようという思いは大切だ。


が、目の前にあったら他人の物でも自分のもの。

それは泥棒でも犯罪でもない。


そうした感覚で捉えていると分かっていて、それでもどうぞというなら話は分かる。

が、分かるだけで、私は納得はできない。



日本のように恵まれた国は、そうそう世界にはない。
だから私たちは、こちらの好意、相手の誠意というものを心の奥で信じている。
それが信じられるに足る豊かさを持っているからだ。

しかし、多くの国々、少なくとも私が知っている大陸や東南アジアでは、必ずしもそうとは言えない。


騙される方が悪い。

そんな理屈が堂々と成り立つ場合もある。



この感覚は、私自身かなりの年になるまで理解できなかった。

私自身が純粋培養に近い環境にいたせいもあるが、とにかく頭がおかしくなりそうな時もあった。



私も戦争などまっぴらごめん、皆仲良しでいたい。


が、そんな甘いものではない世界も少なからずある。


私個人の経験というたらいの中でさえそうなのだから、国と国の関係は言わずもがなであろう。





もうすぐ米寿を迎えるオヤジ。
私にはオヤジに勝るものはほとんどない。

こうした経験に基づく見方だけが、唯一勝っているかも知れない。

あっ。それからあっちと酒も。


待てよ。
長男、次男から見れば、私もほとんど酒を飲んだこともないし、遊びらしい遊びもしないガチガチのオヤジに見えるのだろうな。

オヤジである私の東南アジア時代など、想像さえできまい。


さすれば、私のオヤジも、若い頃はなにだったのか?


とすると、私がオヤジに勝てるものはなくなってしまうなあ。