今どこだ?
大手町ですが。
なら、1時間で来られるな。
夕飯を作って待ってるから、早く来い。
ったく、金持ちはこれだから困る。
ここから北軽のあの館まで、どんなに頑張ったって2時間半はかかる。
それが1時間で来いだぁ?!
あの人たちはヘリコプター移動が当たり前だから、そんな発想をしてしまう。
こちとらは車もなくなって、無公害車、それもリサイクル車での生活をしてるジジイだぞ。
と言ってやりたい。
結局、白樺林の中にあるその別荘に着いた時には、時計の針は9時になろうとしていた。
失礼。最近時計もしていないから、正確には携帯のデジタル画面は、が正しい。
なんだい。
お前さんは、スペインでの夕食と勘違いしたのか。
主が皮肉を言う。
ふん。
これでも立ち席指定に乗り、普段は使わないタクシーに乗って来たんだわい。
と、文句のひとつも言いたいが、そんな貧乏人の理屈は理解できない相手だから、額の汗を拭いながら苦笑するしかない。
まあ、まずは喉を潤せ。
キールロワイヤルだ。
うーん。悪くはないが、またこれからの料理にはタブーだろうが、生ビールをぐびぐびとやりたかった。
さて、今日呼んだのはな、ちいと教えて欲しいことがあってな。
私は、得意のエセ占いを講義した。
ええ、水でしょうね。
インジウムよりは、タンタルでしょうか。
金は今年いっぱい。
あとは一旦下げに転じます。そこからが彼らの本性が出てきますよ。
身動きが取れないように。
ニクソンショック以来の、世界的な動きとなるはずです。
それと……。
これは蛇足ですが、沖ノ鳥島の堤防工事。
★
最近妄想に拍車がかかっている。
軽井沢富人という題名は、B級の一級ピンク映画(日本語としておかしな表現だが、言いたいことは分かる人には分かる)をご存知の方なら、ああ、あれだなという記念作品だ。
軽井沢の冬は空気が凍るだとか言った表現と、カーテンを開ける後ろ姿の絵が美しい映画だ。
映画が封切られた時代は軽井沢が庶民には全くの別世界で、旧軽の銀座通りをジェラート片手に歩く穴空きジーパン姿などは考えられなかった。
旧軽の変貌はさておき、私にとっては、横川駅の釜飯売り風景が消えてしまったことの方が寂しい。
新幹線の軽井沢駅で、きれいに並んだ釜飯買ってもねえ……。
★しばらく、予約投稿となりますから、コメ返し遅れます。