[小説]トロヤ最後の通信 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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私は受け止める



それはいつのことだ?



1125 、約3分前です。




すぐに大統領をアラモへ。



はい、将軍。




いや、待て。
あと1時間もない。間に合わんだろう。


それより、デンバーの例の子どもたちだ!




はい。閣下。
すでに手配済です。
あと20分でDエリアに到着。30分以内にシェルターに入れます。




そうか。

彼らに我ら人類の未来を託そう。

新たなるアダムとイブたちに。




はい。
3メートルの鉛の壁が、太陽放射線から守ってくれることを祈って。





おい。
あれを開けろ。
昔フランス大統領からもらったやつ。




枯草と獣の匂いの混じった赤い液体が皆に渡った。


乾杯!



我らが新たな未来に。


我らが安らかな眠りに。



重く芳醇なメドックが、喉の中で聖歌を歌っている。











しま爺の平成夜話-NEC_0055.jpg





ラグランジェ点にある衛星トロヤが、8000ヘルツの発信音を最後に、その役目を終えた。