現在の地震学の常識では、東東北に代表されるプレートの沈み込みのストレスが解消されると、一旦東側に急移動した地殻がまた西へと圧迫を受け、同時に沈降した地域も徐々に隆起に転ずるはずであった。
しかしながら、今回の東北地震ではその傾向が見られず、むしろ沈降が進んでいるとさえ言われている。
これは現在の地震研究者にとっては、かなり意外なことだったはずだ。
こうした予測の裏には、地殻を構成する岩板が密に詰まっているという考え方があるだろう。
現在も続いている東東北の沈降を解く鍵は、この考え方を捨てることにあるのではなかろうか。
地下には多くの熱水、あるいはそれらが冷却され、または気化することにより、さらに岩石自体の冷却による収縮などにより、数多くの空洞部分が存在するはずだ。
例えば、我々のすぐ足元にも見えない川、すなわち地下水が流れ、それは網の目のようになっていて、これが私たちの地面を支えている。
工業団地などで地盤沈下が騒がれることがあるが、その大きな原因のひとつが、この地下水の汲み上げによるものだ。
こうした構造は、地下深いところにも存在し、いや、むしろより大規模な空間域を構成しているだろう。
先の大地震のような広範囲、大規模な地殻の動きがあると、こうした空間が崩れ上部からの岩盤を補ってバランスをとる。
つまり、空洞上部にある岩盤は落下し、地上では地盤沈下という現象として現れてくるだろう。
従来は極めて少なかった引っ張られ型、あるいは東日本側では少なかった正断層型ともいうべき地震が起きはじめたことが、それを暗示してはいまいか。
この考え方をすれば、大規模地震による東側の沈降のみならず、内陸部で多発傾向にある小規模で比較的浅い震源の地震も、ある程度は説明しうる。
ただし、内陸部地震の場合は、ストレス解消による新たなひび割れ、つまり新断層形成がより大きな要因ではあろうが。
アスペリティの考え方は大変興味深く、俄然性がある。
このアスペリティに関しては、地殻の中にある岩盤の質が縞状になっているからだろう。
地球規模で見れば、地殻もまた液体と扱うことができる。液体の中の波、または地球のなんらかの周期的変動により、地殻に硬軟や比重の違う部分が形成されるのは、ある意味当然だ。
だからこのアスペリティ部分の摩擦を大きくしてストレスをため込むメカニズムが分かれば、短期地震予知は無理としても、あるスパンをもったかなり正確な予測は可能になるだろう。
私が考えるに、このアスペリティ部分は、日本列島にすべり込むプレートの岩質、特にその温度に関係しているのではなかろうかと思っている。
石英などのように、圧縮エネルギーを電気などのエネルギーに変換してしまうことができない岩の場合、そのストレスをため込むことになるのではなかろうか。
と、素人ながらに考えています。
★追記
これは今思いついたのですが、アスペリティに関しては、全く別の考え方もできます。
つまり、岩盤自体の岩質はほぼ同じだが、圧縮などによる加熱で岩を構成する石の結晶形に変化が生じ、これにより摩擦で密着していたかに見えた岩盤同士が滑りやすくなる。
そんな考え方もできますし、ある程度定期的に発生する地震の場合、こうした晶形変化による転移、摩擦抵抗変化で考えた方が、ある意味理解しやすいようにも思えます。
圧縮エネルギーが結晶の転移を促し、結果的に摩擦抵抗が急低下し大きな滑りを生み出す。
こんな考え方は、どうでしょうか。