言わずと知れた、日本の、世界の名画を紹介します。
★トウキョン物語
銀座の華と呼ばれた、クラブ“とほほ”のママ、東杏子の半生を描くドキュメンタリータッチシネマ。
監督は、猫の目アングルで世界を驚かせ、フランスの教科書にも載っている大津高次郎。
東北の貧しい村からはい上り夜の蝶の頂点に至るまでの、紆余曲折の人生、海千山千たちの生態を描く。
明け方に銀座三丁目にうろつく野良猫に餌をやりながら、杏子がポツリ言う。
東京なんかやんだ。
その目のはるか先には、雪をいだいたお岩木山があるのだった。
★まる子ちびっ子の穴
世界的に有名な映画だが、日本ではマニアを除いて人気がない。
まる子ちびっ子の目を通して見た、大人社会の歪みをあらわにする。
“お仙の眼を待つ男”がモチーフらしい。
★キタのオカミ
新地キタ酒場にあるバー“真知子”はそこそこにはやっている。オカミと呼ばれているママは、どこか陰りのある女だった。
実は、オカミは若い頃情夫を崖から突き落としていた。
おくら入りとなった事件を追う刑事と、キタのオカミとの奇妙な関係。
★ジョウ兄(にい)は洗浄に行った
中学生の“僕”の兄であるジョウは、日雇いの大気汚染洗浄に出かけたものの、いつまで待っても帰って来なかった。
“僕”が研修医として赴任した研究所で見たものは……。
国や某企業に対する冒涜であるとされた、国内上映禁止作品。
★汁顔
北千住育ちの一平は、どうしても“ヒ”の発音ができない。
初恋の相手に“君は汁顔のようだ”と言って振られてしまう。
これがトラウマになり、一平は夜の世界であこぎな生活をするようになっていく。
ささいなことで人生の歯車が狂ってしまう、人の心の弱さを描く。
★バラの名前
厳格な世界統一マニュアルで知られる世界最大のファストフード店。
その店の“作品”は、動物は目もふれぬもので、半年ほっておいても腐らない。
その肉は、ピンクスライムと呼ばれるクズ肉をアンモニア殺菌した“もの”だった。
これが世に知れ渡り、チェーン店がひとつ、またひとつ姿を消していく。
この報道の裏には、大きな仕掛けがあったのだ。
食品業界のサンクチュアリを描いた、2013年垢出身症受賞作。
★タイヤボルトは永遠に
某国の車検は、邦貨で2万円程度。
タイヤの溝は深くなり、ボルトもキンキラキンになって返ってくる。
ところが、車検合格翌日にタイヤがパンクし、主人公はあわや大惨事という経験をする。
タイヤの溝が深くなったのはタイヤを交換したのではなかったのだ。事情通の話では、古いタイヤに溝を手作業で掘こむらしい。
しま爺の実話に基づいたドタバタ劇。