嘘のような本当の話 ★カワセミに遊ばれる | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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昨日は近場をちらり歩いただけだった。
が、今日は私にしては珍しくテーマを決めての散歩である。


春の七草を写真におさめてみよう、と考えたのだ。

今は冬の真っ只中。
すべてが枯れ色だ。









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と、普通はなる。


ところがどっこい、ここは千葉である。


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手前の枯れ実だけ見れば冬だが、バックは緑になってまする。


はい。近づいてみますと、


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ハルノノゲシ



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(セイヨウ)タンポポ



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オオイヌノフグリまで咲いています。

ええ、千葉には冬が無いのです。



さて、じゃあ春の七草だ。

ということで、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ出て参れ。

なんぞと、心で鼻歌を歌いながらの遠足です。


ところがギッチョン。

出だしのセリから躓きます。
とにかく、近場の田んぼ、湿地を探しても見つかりません。スーパーで売られているあやしいセリはともかく、本物のセリはここ20年近く食べていませんから、セリを忘れてしまったのかな?と不安になってきます。

そこで、セリを飛ばしてナズナです。

これはよく生えているところを知っていましたから、楽勝。


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ゴギョウ、つまりハハコグサもすぐに見つかりました。


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ハコベラ。
これはやや難しいかなと思っていましたが、杞憂に終わりました。花さえ咲いています。



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さて、いよいよホトケノザです。私の事前予想では見つけるのが一番難しいとしたものです。

そうそう、ホトケノザに関しては、まだかなりの人が勘違いをしているようです。というのは、やはり春先に咲くホトケノザという花(下の写真)がありますが、これは春の七草のホトケノザではありません。


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これを食べると、お腹をこわすかも知れません。

七草粥に出てくるホトケノザとは、これとは似ても似つかぬもので、タンポポの妹分のような植物です。
山道などにはありますが、この時期は厳しいかなと思いつつ、枯れ葉の底を覗きこみます。
やや自信がありませんが、ホトケノザか、その近縁種を見つけました。


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スズナ、スズシロ。

これは現代では不可能に近いため、栽培もので我慢。

まずは、スズナ(カブ)。

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スズシロ(ダイコン)。


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スズナ、スズシロはインチキくさい代物ですが、いよいよ残りはセリのみ。


あまり来たことの無い河原に出ます。


と、キッキーッという聞き慣れない鳥のさえずりと同時に、視覚の中で鮮やかなメタリックブルーが光りました。

えっ?気のせい?
あんな鮮やかな輝く色は自然界ではモルフォチョウくらいだし。

と、考えていますと、またキッキーッという声がしました。
えっ!
私は目を疑りました。
およそ20メートル先に、まさにメタリックブルーに光る鳥がいたからです。
とっさに写真を撮ります。
(携帯写真の上、トリミングしたので分かりにくいですが、写真中央の青いもの)


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そこからが、今日の記事の題名になります。

まさか、こんな田んぼにそいつがいるわけないだろう。

そう思いながらそっと、謎の鳥に近づきます。
と、およそ15メートルほど近づいたところで、例のかわいい声を出しながら3、40メートル先に飛んで行ってしまいました。
その羽は、私が知っているモルフォチョウよりも深く鮮やかな青をしていました。

しかし、まだ私はそいつがあれとは思っていません。あるいはインコの仲間が飼い主のところから逃げ出してきたのかも知れないと考えていました。

また、そっと近づきます。
と、やはり15メートルくらい近づいたところで、またパッと、少し先に飛び、写真を撮りたいならここまでおいで、とでも言っているかのように、こちらを見ています。

また、近づきます。
と、また、ちょっと先で、おじさん、おじさん、ここまでおいで、です。

息子に連絡してデジカメを持って来るよう頼もうとも思いましたが、自分がどこにいるかをどう伝えたら場所が理解できるかが分かりません。


そんなこんなで1キロメートル以上遊ばれながら、なんとか敵さんの正体が分かる写真が撮れたのがこれ。


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ずいぶんトリミング(洒落じゃありません)したので、かなりボケていますが、カワセミの特徴がはっきり分かると思います。

実は、カワセミを、しかも自然のカワセミを見るのは初めてです。

あまりの鮮やかさに驚きました。写真では分かりませんが、青く光っています。

モルフォチョウもタマムシもびっくりの輝き。

よし、それなら、携帯電話初めての連写だ!

と意気込んで設定をした矢先。

なんと、向きを変え私の方に飛んできたではありませんか?



が、

? ? ?


私は夢でも見ているのかと思いました。

すぐ脇を飛ぶその色は、輝く青どころか、ヒバリかスズメを少し黄色くした感じ。

うん?錯覚?

その時はまだ、それこそカワセミである証拠と知らなかったのです。
後で分かりましたが、カワセミは本来は青い羽を持っているのではなく、光りの加減で青く見えたり、緑に見えたりするようです。


しかし、あの青は美しかった。



カワセミが、逆方向遠くに飛んで行ったところで一服。



と、な、な、なーんと。


足元に、探していたあれがあるではありませんか。



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はい。セリです。

1葉口に含みました。

間違いありません。





カワセミに遊ばれながら、私はいつのまにかセリの生える田んぼに来ていました。



カワセミが案内してくれたのでしょうか。




嘘のようですが、今日本当にあったことです。




長文、お付き合い、ありがとうございました。