今から2200年以上昔の、今は中華人民共和国という国のあるところに1人の男がいた。
名前は政。
オヤジは、秦国の王子の1人ではあったが、人質として敵国の館で貧しい生活を送っていたから、まあ捨駒である。
この冴えない王子に近づきスポンサーとなったばかりか、妻になる女まで世話した男がいた。スポンサーを得て一気に羽振りが良くなった人質の子が政、後に始皇帝と呼ばれることになる男である。
これはたいへん有名な話であり、日本でもいくつかの小説になっているが、政は秦王子の子ではなく、女を紹介した男の子だという。
後に始皇帝が男をオヤジと呼んでいた、という話もある。
ただし、歴史というのは後世の者が書くのが当時の(現代も?)常識だから、始皇帝の息子を倒して新しい国を立てた漢が良くいうはずはないだろう。
歴史とは事実ではなく、事実であるとする物語だからである。
そういう意味でも日本の歴史教育は悲惨だ。意味がほとんどない年号とか名前を丸暗記。面白いはずがない。私は歴史の授業が大嫌いで、高校の時は寝てるか絵を描いていた。
話を戻そう。
さて、この政は、今の中華人民共和国のおそらく半分くらいの面積を支配した、この土地に住む人たちにとっては、最初の統一支配者になった。
日本ではこの土地あたりを、漠然と中国と呼んでいる。
しかし、中国にしろ中華人民共和国にしろ、すごい名前ですなあ。
さらにこの国をシナと呼ぶことは、どうも日本では良くないことらしい。
もし、そうならば、西欧諸国、東南アジア諸国の大半がいけない言葉でこの国を呼んでいることになる。
今の中華人民共和国には中国なる国は無かったはずだから、この国があるあたりを支配した何十という国を中国としてしまうのは、実に奇妙な話だ。
たとえば、今の中華人民共和国のトップたちは、かつてこの土地を支配していた清を我々が先祖の国とか言いますか?
いや、憎しみこそあれ、間違ってもそんなことはすまい。
また、ジンギスカンとかってすごいですね。中国ばかりかポーランドあたりまで勢力を伸ばした中国人ですものね。とか言ったら理解してもらえないか、暗闇で殴られちまうだろう。
ジンギスカンは今の中国あたりを支配したが、今の中国を支配した中国人とは全く考えていないからだ。
中国うん千年の歴史というのは、私たちが戦後に植え付けられたマジックだ。中国、つまり中華人民共和国の歴史は世界の国々のなかでも新しい方で、まだ100年の誕生日さえ迎えていない。
中国うん千年の歴史とは、おそらく漢人の臥薪嘗胆、塞王が馬の歴史を意味しているに違いない。
しかし、教育はホントに怖い。シナのどこがいけないの? じゃあ、日清戦争の相手も中国ってかい?
いや、多分そう教えるのだろうな。
そういう私自身、シナという言葉はいけない表現、差別表現と勘違いし、そうした表現をする人たちを逆に曲がった目で見ていた時期もある。が、今は違う。地球をなぜ地球と呼んではいけないのやら。中国と呼ばせる方がはるかに差別的だなあと、最近は感じはじめている。
スーパーサイヤ人が地球を侵略し地球を征服した。この時、最初の地球統一王はスーパーサイヤ人ですと喜びますか?
あら、ずいぶんと横道にそれた。
疲れたから、今日はこれまで。