【小説】社内問診 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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あら、ずいぶん身体に気を使ってますね。


いや、自分の数値を覚えているだけです。気には留めていますが、気は使ってませんよ。0時過ぎの晩御飯は当たり前ですし。



で、今は大丈夫なんですか?


ええ、その時は毒でも飲んだのか?俺には無理だ。国立病院に紹介状を書くからすぐ行けって言われましたが。


へーっ。大変だったのね。
で、本当に毒を飲んだの?

(しばらくの沈黙)

はい。
たくさん飲みました……。いや、飲まされました。

(また、しばらくの沈黙)

……。世間の毒を。


クックックックッ。


(やったぜ。第一関門突破)

ふっ。

特に私が指導することありませんわ。


なんか他に気になるところは?


(胸に手をやる)


あらっ。確かに血圧高めだけど、痛むの?



はい。懐が痛む毎日です。


キャッハッハ。
それは、私には治せそうにないわ。

もう、いいわよ。

しかし、なんであなたが呼ばれたのかしら?


決まっているでしょ。
美人医師に会うようにとの、神様だか仏様だかの粋な計らいですよ。



フッフッフッ。





やったぜ。ノルマ完了。


はい。この爺さんが医者に会うときの最大の目標は、最低3回は笑わせることでありました。




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