
ここまで極端ではなくとも、似たようなダイエットメディスンかフードか知らないが、あやしい宣伝を目にすることがある。
大変大雑把な考えをすれば、その人が生きていくのに必要なカロリー以上を摂らなければ、まあ太ることはない。
人間は生きている限り、息をしたり心臓を動かしたり、あるいは尿を作ったり、さらにそうした指令を出す脳を動かすために、ただ横になっていてもかなりのエネルギーを消費する。
だから、これらに必要なエネルギーを超えない限り太ることはない。
最近は、スナック食品はおろか、レストランでのメニューにも、200キロカロリーだとかいう表示がなされている。
だからこれを参考に、日々の摂取カロリーを計算しながら食事をすれば太らないわけだ。
ただし、これにはちょっとしたマジックがある。
このカロリーとかいうものは、食品そのもののエネルギーであり、個人個人が吸収するエネルギーとは違うということだ。
簡単な例を挙げよう。
大食漢と言われる人には、意外に痩せている人、小柄な人もいる。
上記のカロリー計算をしたならば、食べる量の半分でさえ即肥満体になるであろう食事をしていたりする。
が、太らない。
これは、肥満になるのが、食品自体のエネルギーと直接の関係がないことを意味する。
つまり、食品そのもののエネルギーではなく、その人が体内で消化、吸収、あるいは蓄積できる量に関係するわけだ。
車でいうなら、日本製のリッター20キロメートル以上走れる車か、欧米製のリッター3キロメートルくらいしか走れない車かというのに似ている。
10リッターあるから200キロメートル走るとは限らない。
食べ物も、1000キロカロリーと表示のある食べ物を食べたから、500キロカロリー表示のものより太るとは言えないのだ。
同じ人が同じカロリー表示のものを食べたから、同じだけエネルギーを得たとも言えない。
例えば胆汁の出の悪い人や、その中の分解酵素が少ない人が、脂肪100キロカロリーのものを食べたとしても、逆にエネルギーを減らしてしまうかも知れない。
脂肪を分解できずにお腹を壊し、余分なエネルギーを必要とするからだ。
また、食べ物を消化、吸収するには水が必須であり、このあたりも考慮しなければ、単純に食品のカロリーに右往左往するのは浅はかなことだ。
こうしたことを利用すれば、美味いかどうかはさておき、どんなに食べてもなかなか太らない食品や薬を作ることは簡単だ。
例えば、普通の人には吸収できないセルロースベースの食品を作る。
味の方は、現在の科学でさえかなりインチキできるから、とろけるように甘く感じるものや果物臭なら簡単に合成できる。
肉にしても、植物性たんぱく質などという面倒なことをせず、セルロースで網目や筋構造を作ってやればよい。
天然セルロースが得難いなら、プラスチックと同様石油やガス、石炭などからも作れないことはない。
いや、実際に、似たり寄ったりのものは、既に市場にもたくさんあると思う。
回転寿司屋のイクラの多くが人工物であることを考えれば、さほど驚くことではない。
ちょっと工夫すれば、ニワトリの卵も作れるだろう。
食べても食べても太らないもの。これは作ることができる。
また、仮に本物の食品にしろ、食べても簡単に太らないような薬を作ることは簡単だ。
吸収を阻害する物質、例えば酵素や補酵素の働きをブロックするものを混ぜればよいからだ。
これは胃痛には非常に効果を見せるガス○ー10や、ワクチンなどと似た原理だ。
ただし、これを使用することによる副作用などはいかがなものだろうか。
このあたりの話は、放射線量ベクレルから、体内被曝シーベルトをどうやって算出するのか、その理論、計算式と同じくらい複雑な過程があるのだろう。
ちなみに私は、いまだにガイガーカウンターで、体内被曝量シーベルトをどうやって算出するのか、皆目見当がつかない。
特殊相対性理論よりは、はるかに複雑に思える。
というのは、特殊相対性理論は、たいへん単純明解で、基本的な事柄、例えば亜光速同士の速度の足し算なら中学生でも理解、計算できるものだ。
しかし、ガイガーカウンターのカウント数とシーベルトの関係は、キャリアとマスコミ、マスコミと現閣僚の関係以上にわからない。