そうか。 
わからんかい。 
じゃあな、簡単に説明してやるわい。 
いいか、歴史っていうのはな、さっきお前が食べてたイチゴケーキと同じだ。
?  ?  ? 
じっちゃんのたとえは、さっぱり分からない。
いいか。 
そのケーキは、空から降ってきたのか?それとも庭に生えてきたのかい? 
何を言うかと思えば……。 
ケーキはな、自然にできたもんじゃない。 
小麦粉を粉にして卵の白身をかき混ぜてからパンを焼き、その上にバターやらクリームを塗る。 
さらに、イチゴだのチョコレートだのを載っけたりするわけだ。 
分かったかな。 
お前の歴史についての、大きな間違いはこれだ。 
つまり、ケーキは雨みたいに天から降ってきたと考えていること。 
分かるな。 
?  ?  ? 
?   ! 
!!!     !
それからもう一つの勘違い。 
ケーキは眺めて楽しむものか? 
このイチゴの重さは15グラム、なんていうためにケーキを買ったのか? 
そうじゃないだろう。 
食べるためだわな。 
うまいとか甘過ぎたかななどと言いながら、口に入れるためだろう。 
ところががっこでは、それを写真に撮って、これはイチゴケーキだとか、いやいやチーズケーキだとか討論している。 
いや、討論ならまだよい。 
ケーキの特徴と、名前だけを覚えさせようとしている。 
どうだ。 
よく分かったろう。
歴史をそんな風に見ているかぎり、1+1=2の答えしか出せない。 
また、十分に可能性のあることを“想定外”という言葉でごまかせる。 
想定外なんていう言葉を使う輩は、パッカパカパーの政治屋であり、政治家なら使わない。 
想定外という言葉を発した段階で、アホ丸出し。 
あるいは、ずる賢さが見えるわけだよ。 
補助電源喪失は想定しない。 
まあ、こりゃ当たり前だかな。 
想定したなら、すべてが不可能になる。 
おっと。 
かなり脱線してしまった。 
さて、いよいよ最後のトリック。
信長が完成した天下布武・江戸時代と、徳川15代の将軍の中で、唯一将軍の子であり将軍になった男の話へと移るか。 
唯一、将軍の子で将軍!
つづく。