Aには、黒い泥がたっぷりついている。
いや、糸自体にも色がついているのだが、これには目をつぶろう。
さて、Aを洗濯しようとすると、一緒に入っているBやCも汚れが付く。
幸いにも、BやCは、Aが黒いと理解できている。
ただ、あるよんどころない理由から、一緒に洗濯機の中で洗われることを拒否できない。
だから問題なのだ。
BとCがかえって汚れないために、Aを洗濯機から取り出すのは簡単ではない。
というのは、Aは自分が黒いことを理解していないし、洗濯物には足がないから歩けない。
風に飛ばされてしまうのは分かっている。
いや、ただ飛ばされてしまうことはしない。
ある意味有言実行であるAは、すべてを破壊する。
この破壊力は、なかなか常識では理解できない。
単に、物を破壊するだけではないからだ。
ただ、limitということもある。
分かってはいるが、なかなかな問題を“神様”とやらは下さったものだ。
いや、まてよ。
私は、“神様”とやらは信じていないはず。
こんな時に、神様を持ち出しては、それこそ罰があたる。
また、Aは正しい破壊をしている。
何故なら、破壊することが使命だからだ。
はあ、そのへんも分かってきちゃいるんですがね。
まだまだ、ですなあ。
爺のふりした、中年ひねじいさん。