『くぁん書記局長の深慮』 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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【概略】

極東にある島国、にゃらぽん。
この国の書記局長が、急にブログを始めた。
単語明瞭、意味不明のそのブログは、実は世界で勃発し始めた情報武力戦争に対抗した、実に深い考えに基づくものだった。





★注意
ここから後は、映画のキモが書かれていますから、観てのお楽しみを味わいたい方は、お読みにならない方が賢明です。


【あらすじ】
タンドリーキチント言語研究所に勤める、主任研究員のシラーガ・アッターマは、にゃらぽんの書記局長が始めたブログの解読を要請された。
そのブログは、たいへん奇妙な言語で書かれていたからである。
単語自体は大部分が英語と同じだが、品詞の並び、前置詞などにかなりの差異があり、結局、常人には解読不可能だったからだ。

確かに、そのブログは英語に似ている。
が、英語とフランス語、あるいは中国語と日本語程度の相似性であり、スペイン語とポルトガル語、あるいはモンゴル語とウイグル語ほどの類似性は認められなかった。

そんな折り、アフリカでは各国で反政府運動が高まり、一部の国では国家元首が海外へ逃避する事態となってくる。
こうした動きは、情報公開システム会社、ワットリークからの情報に刺激を受けたものであった。
ワットリークでは、各国トップの外交情報をはじめ、プライベートなやりとりまで公開し、表向き“世界平和”を高らかにうたいあげながら、裏では殺戮集団を養成している国などの実情が暴かれていたからである。

が、にゃらぽんのくぁん書記局長の、目を見張るべき外交情報は見当たらなかった。
高い情報を管理する会社でさえ、英語訳できない不思議な言語を使っていたからだ。

シラーガ・アッターマは、にゃらぽんの書記局長の深慮に、深く感銘するのであった。