【昔話】桃っ太郎 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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★昔、昔、……。


〉昔って、紀元前のこと?

★黙って聞きなさい。


あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。


〉あるところって、日本?
それともジンバブエ?



★いいから、黙って聞けっつうの。




おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。



〉自分の山なの?人の土地の柴を刈ったりしたら、不法侵入、窃盗だよね。

それに、川には大腸菌とかいっぱいいて、不潔だなあ。



★だから、黙っとれって言ってるじゃろ。




おばあさんが洗濯をしていると、川上の方から、どんぶらこどんぶらこと、竹筒に乗った一寸法師がやってきた。



〉一寸って、約3センチメートルだよね。
ちょっとした波で、川に落っこちちゃうね。




★余計な茶々を入れるから間違えたではないか。




違った。
どんぶらこどんぶらこと、大きな桃が流れてきた。 おばあさんは、一抱えもある大きな桃を、やっとのことで家に持ち帰った。



〉えーっ。
じゃあ、洗濯物はどうしたの。まさか、そのまま置いてきたんじゃないよね。そんなことしたなら、不法投棄、環境破壊だよ。





★うるさい。
いちいち、いちゃもんつけるんじゃない。





〉だって、いつも言ってるじゃん。疑問は残すなって。






★うー、うー……。


洗濯物は、後でおじいさんが持って帰った。


でな、その大きな桃を割ると、なんとかわいい赤ちゃんが出てきた。




〉えっ?
ということは、お母さんから生まれたわけじゃないから、栄養や酸素をもらうのに必要なへその緒は必要ないよね。
つまり、その赤ちゃんにはへそが無かったわけだ。
そういえば、不思議なことにアダムの絵には、へそがあったなあ。







★じゃっかましい。
へそは体のバランスをとったり、お茶を沸かすために必要なんじゃ。だから、その赤ん坊にも、へそはついていた。



〉へそで茶を沸かすため? ああ、それなら理解できる。





★ほう、珍しく素直だな。



〉うん。今おへそで茶を沸かしているもん。


★はっ?





で、この赤ん坊はすくすく育ち……。



〉あれっ。おじいちゃんとおばちゃんだよね。おっぱいはどうしたのかなあ。





★とにかく、すくすく育ったんじゃ。
で、この子は金太郎と名付けられ、毎日背中に薪を背負いながらも本を読む勉強好きになった。





〉えーっ!
歩きながら本を読む!
ダメだよ。交通事故にあっちゃうもん。








★おっと、また間違えた。
金太郎ではなく、桃っ太郎じゃ。


桃っ太郎は、子どもの頃から、雨の日も風の日も、マッチを売るために街角に立っていた。





〉あっ。それは児童福祉法違反だね。





★うん?

なんだか話が分からなくなってきてしまったではないか。





おーい。パトラッシュ。

もう、寝るぞ~。







桃っ太郎は大きくなり、鶏、犬、馬とともに、ブレーメンの音楽隊に入りました。







めでたし、めでたし。





かなあ?





どうも記憶力が芸術的に減衰しており、昔話を忘れてしまいました。



ですから、子どもの頃聞いた昔話と、多少違っているかも知れません。





今でもルルドには、三匹の侍の1人として、桃っ太郎の銅像が建っています。


その碑文には、こう書かれています。



目白は、目黒が上手く歌う。




天の邪鬼を踏んだ仁王様や、猿を従えた庚申様が、桃っ太郎だという人もいます。


また、ある説によれば、桃っ太郎は、金太郎飴屋になったとも。



何も悪いことはしていないのに、鬼ヶ島で鬼から金銀財宝を取ってしまうのはいけない、と述べている学者もいるそうな。