大学ブログ講座 病理Ⅱ ☆恐竜の絶滅 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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おいおい。

ホモ・サピエンスなんぞと、自ら傲慢な名前をつけている後輩たちよ。
勝手に我々を、小惑星や火山、あるいはポールシフトで絶滅したなんて決めつけてくれるな。



俺たちは、そんな理由で地上から消えたのではないのだ。


確かに、小惑星が、お前たちがメキシコ湾と呼ぶ海に落ち、巨大な津波と地震に、右往左往したこともあった。

シベリアの火山噴火で、百年の冬も迎えたことがあった。

磁極の逆転で、子孫が激減したこともあった。


が、それでも俺たちは生き延びた。




が、あいつには、我々の体が着いて行けなかった。

いや、そればかりか、我々の食料を駆逐して行った。





そうだ。

お前たちに分かり易い言葉で言うなら、アレルギーだ。




被子植物の増殖は、あまりに急激だったのだ。


奴らは、花とかいうものをつけ、子孫を増やす為に花粉とかいう毒の粉を使うようになったのだ。

さらに、花びらとかいう気色悪いものの中に、アントシアニンなんかをたっぷりと蓄えた。




我々は呼吸に苦労するようになる。

鼻水だけではなく、全身の皮膚が炎症を起こし始めたのだ。


やがて、日和見感染し、ヘルペス関連細菌が心臓、脳を冒すようになった。





我々は、こうして生き絶えたのだ。

イリジウムだけにこだわって、小惑星衝突説にしがみつく輩。



もう一度、私の皮膚と骨を調べてみなさい。


はっきりとした、異常が見つかるはずだから。






地球歴 42億8701年
夏:旧盆の終わり

霧雨

アラガントザウルスペキネシスexe.