目を開けると、白い靄が覆っている。
いや、靄より硬く、幾何学的な白に囲まれている。
Φ8mmのポリエチレン管が2本垂れ下がり、1つには透明の、もう1つにはややピンクがかった半透明な液体が流れて、私の体の中に繋げられている。
で、どうなんだい。
私は、あいつに訊いた。
まあ、とにかく暫くは、綺麗な天使とお付き合いだな。
はあ?
どこに天使がいるって言うんだい。
明治、大正記念館みてえなところに。
相変わらず、口が悪いな。
まあ、それだけ元気なら、まだ大丈夫だ。
ふん。
ヤブ医者に大丈夫だなんて言われても、さっぱり嬉しかねえやい。
とにかく、赤ちゃんになって、まずはこの薬を飲め。
ぎゃ。
お前、これはヤバイだろう。
何mgだ?
50mg。
おいおい、俺を殺す気か?
喜寿過ぎの爺さんでも、25mg 飲んだら、眠れなくなる。
50mgも飲んだなら、普段は品行方正この上なく、女には目もくれねえ俺でも、ギンギラギンになっちまう。
このブタ箱、明治・大正村が、平成キャピキャピ街に変わっちまうぜ。
うん?
まさか、これ、プラセボじゃねえよな。
アホか。
……………………………
これは昨日、一時公開したものですが、表現に不適切部分があり、一部削除・訂正したものです。
ちなみに、今私、ちいと休んでいますが、こんな状況じゃありませんな。
はあ、まだ、くたばれまへん。
へぇ。ひよこがまだおりますんで。
また、ヤクザもんでも、順番は守んなくっちゃあね。