私たちは自国をnihon または nippon と呼んでいます。
しかし、英語などでは japan (小文字のjapanは“日本”ではなく“漆器”という意味になりますが、ここでは綴りではなく、発音を表すこととします) ですし、ラテン系の国々では、 yapan や hapon などとなります。
“にっぽん”がどうして“ジャパン”や“ヤパン”、“ハポン”と呼ばれるようになったのでしょうか。
この言葉の変化は簡単、教科書通りです。
“日本”を中国語(ただし、現代の普通語)で発音すると、ri:ben に近い音になります。
ここで注意しなければならないのは、r の発音です。
発音記号では r ですが、この r は、jに近い音に聞こえるのです。
これはフランス語の r が g に近い音に聞こえるのに似ています。
ですから、外国人が日本ribenを聞いて、jiben と聞き違えることは自然です。
さらに、以前も書きましたが、b音と p音とは大変近い音で、 b音が p音になってしまったりすることは珍しくありません。
つまり、jibenが jipenになり、さらに母音変化をすると、japan になるわけです。
また、 j音が y音になるのは(言語の流れとしては、y音→j音が一般的?)ラテン語系の言葉では当たり前。
だから、japan はyapanになりますし、スペイン→中南米で y音→ h音変化してハポンなどとなります。
東南アジアの一部(タイなど)では、h音の無音化(フランス語では当たり前。英語でもhourやhonorなどがある)により、日本は i:pun となります。
お隣の半島あたりでも、日本はj音が消えて、ilbonに近い呼び方でしょう。
余談ですが、タイ・アユタヤあたりには、ニッポンという苗字が存在します(若い頃、私の部下にもいました)。
ひょとすると、山田長政あたりの子孫かも知れませんね。
また、タイを代表する歓楽街は、ハポンに似た音のパッポン。
何か、日本人に関係ありそうな。
うーん。
分かる人には分かるかも。
ちなみに、パッポンのすぐお隣のタニヤは、まさに日本そのもの。
ある種の職業の方を除けば、夕方以降、日本人以外は、なかなかその通りには入れません。
別に法律があるわけではありませんが、そんな空気・見えない縄があります。
おっと、知ったようなことを言ってしまった。
当地にいらっしゃる画家のaさん、写真家のnおじさんに笑われそうだ。
では、ボロが出ないうちに、トンズラさせていただきます。
★追記
中国・上海語で日本人はsapanin に近い音です。
なぜ s音が入るのかは分かりません。
ベトナム語(おそらく北部語)では、日本はnyabanに近いようで、かなり日本語に似ています。
これは中国・広東語 yapbun(日本)あたりの影響でしょう。