しま爺言葉の辞典 ★ ら行 ★ 追加記事 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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いくら日本語になかった音とはいえ、あまりに可哀想ですから、海外の“ら行音”について述べていきましょう。


だいたい、語頭には存在しなかったというだけで、音自体はあったのでしょうから。




まず、すぐに思い浮かぶのが、ヘブライ語のアルファベットの一つである、ラメット。


ヘブライ語アルファベットの12番目にくる文字です。

面白いのが、この文字の形。

ひらがなの【ら】そっくりです。

日本の護国神社にも勤めたことがある、イスラエル人作家ヨセフ・アイデルバーグ氏は、ひらがなやカタカナはヘブライ文字から生まれた、とおっしゃっています。

が、さて、どうなんでしょうなあ。
(参考文献:『大和民族はユダヤ人だった』 ヨセフ・アイデルバーグ (たま出版1984))

ラメットは、カバラ数学(日本では秘教のごとき発言をしているテレビ界での“研究者”がいますが、とんだお笑いです。こんなことは、イスラエル人ならば、ほとんどの方が小学校に入る前に知っているでしょう。どこが秘密なの?)では、30を意味します。

ただし、このラメットが【ら】にそっくりなのは、イスラエル・ヘブライ文字についてであり、シリアだのエジプトだので使っていたラメットとは全く異なった形です。


簡単な形や音は、偶然似てしまうことがあります。


この辺が、日本語に限らず古代語などを考える時に重要ですね。
自戒を込めて。


そういう見方をすれば、日本語語源を論じた本の大半は、私のような素人でさえ、落語の駄洒落大会に見えてしまいます。



正直なところ、あまりに視野が狭く、かつ基礎知識に乏しいと感じてしまったりするのです(プロに対してなんと失礼な!はい、私は中身を伴わない、形だけの金持ちのプロには滅法厳しいのだ。だから、金持ちでも、プロではない日本の政治家の一部には甘いのです。あら、これまた一言余計な)。



上記のアイデルバーグ氏の場合には、外国の方だから仕方がありませんし、また【日本向け追補版】が、本当に本人が書かれたものかどうか怪しいという問題もあるのですが、日本語と外来語、現代の日本語と昔の日本語をごちゃ混ぜにしてしまっているのです。

古代に、近代の法律用語などは、まず存在しなかったでしょう。
(私はこの追補版は、日本人シャドウライターの影響が強いと思っている)







さて、話を【ら行】に戻しましょう。



liele(アラム語)夜

日本語語頭にら行音が無いことを考えると、この言葉は興味深いものです。

ヘブライ語と近縁関係にあるアラム語は、ナザレのイエスも使っていた言語とされる、当時のシリア公用語です。


数年前、『神の言葉を伝えに来ました。一緒に神の言葉をお聴きましょう』なる方が、ちょくちょく我が家に来ていたので、『すいません。あなた方のおっしゃる神は、アラム語でお話しされたのですよね。それなら、ぜひお聴きしたいですなあ』と返したら、パタリいらっしゃらなくなりました。どうも、このお方は、自分の神が何語で民衆に話しかけられていたのかを、ご存知ではなかったようです。
(実に嫌みな爺と思ったでしょうね)








ラァ

本来なら、最初に挙げるべき言葉だったかも知れません。
太陽を意味する、古いエジプト語です。
文字は片方の目の形で、SF映画(例えばスターゲートやハンナプトラ)などにもよく出てきますから、ご存知の方も多いでしょう。
このラァの流れをくむ言葉が、なんと太平洋の島々にも伝わっています。
(ただし、一部諸島ではラァは月を意味する)

いろいろな想像を湧かせてくれます。








ri(またはuru)

世界最初の文明が開けたメソポタミア(イラク)にいた謎の民族シュメール人の言葉で、村、川などを意味するようです。


uruは、その後文明が開いたエジプトでも伝説的な町(国)であった可能性があります。

シュメール人と、その後のバビロニア人を一色痰にして、クサビ形文字を発明したのはバビロニア人のような記載が、小学校や中学校の教科書にはなされていますが、これは明らかな誤りです。


シュメール人の言語は、バビロニア人のそれとは違います。
(シュメール語は、かなり日本語に近いかも知れません。また、クサビ形文字の構造は、漢字に大変似ています。まあ、どちらも象形文字から生まれましたから、当然といえば当然ですが)

バビロニア人は、シュメール人が発明したクサビ形文字を、改良して使っていただけに過ぎません。


なお、このあたりの話でよく出る『ハンムラビ法典』に関しては、“目には目を、歯には歯を”の言葉ばかり先行して、おどろおどろしい復讐法律のような教え方をされたりしています。
が、おそらくそのような記述をされる方は、『ハンムラビ法典』のわずか1行さえ読んでいない可能性があります。

私自身、ほとんど読んでいませんが、たった数行を見ただけで、この法律が数千年昔に考案・施行されたとは思えない、素晴らしいものであることが分かるはずです。


なお“目には目を、歯には歯を”の法律には、ちゃんと抜け道さえできていますし、日本で教えられている、あるいはイメージされている『目には目を、歯には歯を』とは、かなりニュアンスが異なります。





ユダヤ教やヒンドゥー教の方の反発を招くやも知れませんが、このイラク付近の文化・伝説がユダヤ教、ヒンドゥー教神話の基になっている可能性があります。
つまり、仏教やキリスト教は、メソポタミア文明の孫、ひ孫にあたります。
(確か、旧約聖書の基礎がメソポタミアあたりにあることは、著名なキリスト教信者の方も述べられていたと思います)


さらに、バビロニア文化(特に『目には目を、歯には歯を』)あたりとイスラム文化を混同しているのではないか、とさえ感じることがあります。


これはとんでもないことなのですが、宗教がない日本ではどうでもよいことなのでしょう。


シュメール文明あるいはバビロニア文明と、イスラム教が盛んな地域は重なりますが、それは地理上のことであり、時代が全く異なります。


ついでにイスラム教についてあと少し述べますと、イスラム教ではナザレのイエスも偉大なる人物(預言者)であり、尊敬の対象です。

日本の多くの方は、このあたりも勘違いしていらっしゃるのではないでしょうか。





蛇足

★シュメール、バビロニア、イスラム教の混同について

日本が中国の一県であるとか、アメリカの一州であり、常に本国の顔色を伺っているとか言われたら、あまり気分がよくないのでは?と思います。

(えっ?最近それに近いものがありますって!さあ、私には何の事やら、さっぱりでんなあ)






さらに話は脱線します。
これは最近のコメント返しにも書いたことですが、映画やマンガにもなった、ハリマオや月光仮面は、イスラムが作り出した実在の人物がネタになっているでしょう。
(月光仮面に関しては、日蓮宗などの影響という説もあります。が、もし、ムスリムの方があの出で立ちを見たなら、多分彼らの神の影響を強く感じるはずです)