古い日本語には、ら行で始まる言葉は存在しませんでした。
これは、古朝鮮語も同じようです。
事実、政治目的で作られた文字であるハングルを見ても、己(rまたはl)に似た子音字で始まるら行言葉は、外来語や接続語など以外に無いと思われます。
日本語と全く同じ発音型(語順は異なる)と言っても過言ではないサモア語では、l頭の言葉はありますが、r頭の言葉は外来語だけのようです。
さらに、ケチュア語(インカ帝国の言葉)やマヤ語にも、l音、r音は少ないように感じます。
南洋言語には大変エジプト語に似たものがあり興味深いのですが、サモア語に太陽(または月)を意味するラーという言葉がないのは、逆に不思議な気もします。
日本語のら行言葉が本来無かったことは、古語辞典を見ればすぐわかるでしょう。
1000ページある辞書で、ら行はおそらく20ページ未満。そして、そのすべてが中国語(音読み漢字、熟語)か、助動詞、接続詞などであり、訓読み名詞、動詞が無いからです。
これは、現代の国語辞典でも同じです。ただ、外来語のカタカナ言葉が増えた分、多少ページ数が増えただけで、やはり古い日本語(訓読み名詞、動詞など)は見当たりません。
蛇足ですが、意外なことに、エジプト人もlとrの区別をしなかったようです。
ちなみに、私は今でもこの区別が曖昧ですから、中学生どころか、乳児並みの語学力ということになりそうです。
言葉、特に日本語を考える時には、中国からの外来語が邪魔をします。
そういえば、江戸時代の国文学者も、同じことを嘆いていました。
まあ、私は学者ではなくギャグ者ですから、邪魔をする中国語に、本気で悩むことはありそうにありませんがね。
★蛇足
なぜ日本へやってきた、モンゴルやサモア出身のお相撲さんが、大変日本語が上手いのでしょうか。
一番は、もちろん本人の努力です。
しかし、モンゴル語と日本語が大変似た文型であること、サモア語と日本語の発音がほとんど一致することも、大きな理由かも知れませんね。