
先に記事にしましたように、やたらと坂道のある町に行きましたが、本当の街の姿が現れ始める時刻には、帰りの電車に乗っていた、おこちゃま爺でございます。
さて、そんな中、フラリ入った喫茶店で、爺がちゃぶ台返ししたくなるような会話を聞いてしまったのです。
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う~ん。あのボタン欲しかったのにぃ。
甘ったるい、しかし、とうに三十は超えている、ポイズン臭を振り舞いているご婦人がおっしゃいました。
うーん。
私と同じくらい髪の毛に家出されたアラヒィフは、言葉少なに紫煙をくゆらせました。
たったの30万よ。
女は、少し高い声で訴えます。
こりゃあー。
ここはニッポンだぞ!
ベトナム・ドンとか、インドネシア・ルピー単位での話をするなー!
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えっ?
日本円?
はっ!
たかがボタンですぜ!
えっ!
なんか間違ってはいませんかねえ。
おかしいぞ。日本。
まあ、ボタン一つに1億とか、100億とかいうよりは、まだ可愛げがありますよ。
でも、ねえ。
