
今なら、このネタの質問の意味が理解できる。
しかし、大学に入る前、つまり、栃木・八溝山系の片田舎で暮らしていた頃だと、この質問が何を言いたいのか悩んでしまったであろう。
というのは、私の田舎で“おでん”といったら、具は決まっている。
コンニャクだけであり、それ以外はあり得ない。
三角に切ったコンニャクを、2つ、3つ割りばしに通し、煮込んでから砂糖入りの酢味噌でいただく。
これを私たちは“おでん”と呼んでいた。
確かに、ダイコンや芋やチクワを醤油で煮込んだ食べ物もあった。
が、これはけして“おでん”ではなく、あくまでも“煮物”でしかなかった。
大学生になり、初めて世間でいう“おでん”とは何たるかを知り、私は少なからぬカルチャーショックを受けた。
その衝撃は、田舎で見たことのないような同年の“美少女”や“綺麗な飲み屋のお姉さん”を見た時ほどではなかったにしろ、とにかく大きな驚きであった。
そして、それを知った当時は、“ああ、俺はなんという世間知らずだったのだ”であった。
が、この思いは後に大きく変わる。
我が田舎で“おでん”と呼んでいるものこそ、室町時代からの味噌田楽の面影を残している、むしろ本来の“おでん”に近いものだ、と知ったからだ。
私が“おでん”と言われてダイコンが美味いと、素直におでんが煮物だと、頭の中でつながるようになったのは、30を過ぎてからである。
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