
若い時には無茶をしがちだし、またそれをしても回復が早い。
私は会社に入って3年目くらいから30代初めまでは、大半を海外で暮らしていた。
だからというわけではないが、毎日のように飲み歩き明け方まで飲んでいたことも少なくない。
が、今やビールに似せたアルミ缶一本でフラフラになる。
だから、アルコールがわずかでも入ったなら、何時までという話ではなく、すぐにスヤスヤしてしまうこともある。
さて、北欧には、桁違いの大酒飲の神話がある。
その名はオージン。
ゲルマン民族の最高神と言ってよいこの神が、ある時巨人と飲み比べをした。
巨人は魔法使いでもあった。
オージンは意地になって、巨人の差し出した酒筒を飲み干そうとしたが、どうしても空にすることはできずに降参する。
実は、この酒筒は海につながっていて、さすがのオージンも飲み切れなかった、という話である。
この話の面白いところは、巨人がこれらの種明かしをし、実力ではとてもお前さん(オージン)には勝てないから、もう二度と来てくれるな、と巨人が事実上の敗北宣言をするところだ。
この茶目っ気ある巨人は、ギリシャ神話などに出てくるラテン系の巨人たちとは、いささか雰囲気が違う。