
はあ、そうでございます。
雨風呂に入って、そのぬくもりにどっぷりと浸かっている“しま爺”のことでございますよ。
とにかく、現実世界では頭はウニトロ丼、体は11月の柳の小枝、若い女の子は言うに及ばず、それなりにお年召したご婦人にさえ、おはようございますの挨拶さえ口ごもり、恥ずかしそうにうつむきながら歩いているというのに。
(遠くで笑い声が聞こえたようだが無視しよう)
と、ある程度“しま爺”をご存知の方なら題名を見ただけで察しがつき、“ああ、また狸爺じいがなんか寝ぼけたことを言ってるわい”となりましょう。
ところで、私の雨風呂での何番目かの目標は、“罪のない嘘”をつくこと。
まあ、戯れ言というヤツです。
私の尊敬する故・小島貞二先生は多才な方で、私とは違い本物の紳士でした。
そんな先生の仕事のひとつが、ギスギスした世の中を少しでも笑いで和ませること。
先生とは大半が新聞紙面の中だけの関係で、実際にお会いしてお話ししたことは数えるほどしかありません。
が、先生の人の大きさ、優しさを知るには十分であった気がします。
先生は11PMや夜のスポーツ解説者の顔、相撲界の大御所、お笑い界の重鎮、画家、芸能界の先駆者など、いくつもの顔をお持ちでした。
とても私など足下にも及びません。
せめて、その100分の1くらいの余裕を持ちたいと、常々思っている私です。
蛇足
先生の悪筆は有名らしい。
確かに、初めて見たらびっくりするだろう。
しかし、私には、たいそう優しい字に見える。
