今、私はある喫茶店にいる。
隣には面白いカップル。
向き合いの丸テーブルに座った二人は、無言のまま。
いや、手を握り目を見つめあっているのではない。
お互いに携帯をパチパチやり続けているのだ。
コラーッ!
あんたはんらは、何をしてるんだー!!
最近の若い子ってこんなもん?
わかりませんなあ。
ところで、この30分の間に、笑ってしまうことがたくさんありましたぞ。
まずは、あるお店の出口でのこと。
2メートル近い新入社員風服装の男が、店の暖簾を見つめていたと思ったら、それを取り外し、なにやらいじっていました。ちょっと危ない(怖いではない)童顔だったので、しばらく見ておりました。
と、彼は皺をしっかり伸ばした後、満足そうにそれを元に戻したのです。
思わずニヤリしてしまいました。
そのすぐ後、今度は私が生まれた時には第一線の戦士であったろう、今はかなり耳の遠くなった紳士が、店の前に立ち呼び込みする浴衣姿のお嬢さんに、ずいぶん熱心に話かけています。
すぐ近くに喫煙所があったので、ここに来るまでやりとりを聞いておりました。
結局、耳が遠くなったというその紳士は、店には入りませんでしたなあ。
面白いのはその後のお嬢さん。
はっきりわかるほど、肩から力がぬけ、フーッという息が聞こえてきそうでした。
あや。
隣の二人。結局、何も話さないままお帰りです。
さて、何者だったのか。
いや、それを考えると私の専門分野に突入しそう。
まだ、それには明る過ぎますわい。
あら、少し離れたところのお嬢さん二人組もなかなかやるぞ。
一人はお化粧に専念。もう一人は、やっぱり携帯ばかり見てますなあ。
そういう私も、店に入るなりパチパチはじめてはキョロキョロ。
怪しい爺さんに映っていることでしょうな。