アカツメクサは、クローバーの白花版のようなものだが(もちろん厳密には別種)、一見親指の頭くらいのひとつの花に見える。
が、近づいてみると、蝶々のような花が密集して咲いているのがわかる。
タンポポのワタボウシより一回り小さい蕾のような形をしたこの花は、マメ科植物で、エンドウやダイズの仲間だ。

同じマメ科の植物にクズがある。名前は悪いが、葛餅、葛湯などの言葉からわかるように、古くから日本に自生するヒトにとっては大切な植物だ。
アカツメクサは、個々の花が満開であっても、遠くから見るとずっと蕾のままで、いつになったら咲くのだろう、と思われがちである。
つまり、まだ余力があると考えられがちだが、実は数日もすると白茶けて枯れてしまう。
また、最近は自然薯なる呼び方で絶賛されているヤマイモ。
ツルにはムカゴという、トウモロコシの種くらいのマメのようなものができる。

立派な根があり、こんなものは不要に思われる。
が、これも最近の自然食ブームとかでもてはやされているらしい。
おそらく、良質のデンプンと多少のたんぱく質があるに違いない。
私は田舎育ちだが、これを食べた経験はない。
が、何かの本で、飢饉の際には重要な食料だったと書かれていた気がする。
一見無駄そうに見えるものも、役にたつのである。