
美味しい料理をつくるには、4つの基本があると考えています。
まずは、素材が素晴らしいこと。
どんなに料理が下手な人でも、あるいは、料理をしない人でも、素材が逸品なら、それだけで十分。何も料理をする必要がありません。いい例が野菜や果物、刺身の類でしょう。
次に重要なのは腕でしょうか。最高級の松坂牛があっても、黒焦げでは台無しですし、大間マグロも、ノコギリで切ったかのような刺身だったら、いささか白けます。
そして、3番目は頭です。
素材が悪くても、また、技術がなくても、工夫しだいで料理はうまくなります。
逆に、頭を使わないで作った料理は、料理というより腹に詰めるものになりかねません。
そして、最後に大切なものは、思いやりの心です。
どんなに貧しい料理でも、口にする人のことを考えて作った料理は、一味ちがうのです。
大根の角を取る、白菜の大きさを相手の体にあわせる。
それだけで、素材の不足をいくばかりか埋め合わせできます。
好き合う者同士なら、最後のやつが一番美味しくできるでしょうな。