これは、古文を学んだ方なら常識かも知れませんから、題名を見ただけで内容が分かった方はスルーでしょう。
古代日本語や朝鮮語に『ら』行で始まる言葉がないのは先日お話ししました。
が、日本語には『ら』行の音自体がなかったのかも知れません。
例えば、現代語の『食べる』は『食ぶ』、『見る』は『見ゆ』のように、今は動詞終止形に『る』がつく動詞も、古代では『る』を使わなかったからです。
ただし、古事記に最初に出てくる動物は『ヒル』ですし、日本神話の最高神の名前が『アマテラス』ですので、この考えにはまだまだ疑問が残ります。
ところで、古代日本語でほぼ確実に現代音と違っていることが分かっている音があります。
それは、『は』行音の言葉です。
現代私たちが使っている『は』行音は、かつては『ぱ』行の音に近かったようです。
つまり、『母』は、『はは』というより『ぱぱ』に近かったらしいのです。
だから、古代の日本でパパと言ったらお母さんのことだったわけですね。
言葉を調べていくと、なかなか面白いことが分かってきますが、偶然似たものを関連付けてしまい、とんでもない勘違いをおこしかねません。
日本語語源に関しては多くの本が出ていますが、大半は特定の言語だけに絞って比較しており、唖然とするような説(例えば中国語由来の日本語と中国文化圏言語を比較してしまう→似て当然だ!)まであります。
つまり、語源を考えるには広い観点から、つまり単に言語だけでなく、宗教、文化や政治(占領地と植民地など)種々学ばなくてはならない気がします。
私は、まだまだ学習不足ですなあ。
しかし、私より勉強不足じゃないの?!
というものが、ないとも言えません。