絞ったばかりの夕日の赤が | しま爺の平成夜話+野草生活日記

しま爺の平成夜話+野草生活日記

世間を少しばかり斜めから見てしまうしま爺さんの短編小説や随筆集などなど
★写真をクリックすると、解像度アップした画像になります。

ブログを書く理由は? ブログネタ:ブログを書く理由は? 参加中


ボーッ。 

ボーッ。 

腹に響く、低く太い汽笛が鳴った。 

私は船員から渡されたテープを、思いきり岸壁に向かって投げる。 


黄色い紙テープが、灰色の艀の上を転がっていった。

霞んだ視界の中でも、時子がそれをしっかりつかんだのが見えた。 

ボーッ。ボーッ。 

出港の知らせが、無情に鳴り響く。 


嗚咽が止まらなくなった。 

倒れそうになる時子を、真知子が支えている。 


さよなら、礼文。 


さよなら、時子。 



テープがくるくると回りだす。 



が、テープはすぐに回らなくなった。
残すところのなくなったテープの端を私は握り続ける。 


一瞬、ピーンと張った黄色いテープが、非情にも裂け、海の中にしみ込んでいく。 



「時子!時子!」 



私は心の中で呼び続けた。  




どれだけ涙を流したろうか。 


おそらく、私の人生で流す涙の半分くらいは、あの2時間の船の中で流したに相違ない。 



私はその日から、泣いた記憶がない。 


少なくとも、人前で涙を見せたことはない。 




が、最近、また、瞳が潤み出した。 


アメブロのブロガーさんたちから、暖かい涙をいただいているからだ。 


ひょっとしたら、忘れていた涙を流すために、ブログ記事を書き、読んでいるのかも知れない。



皆さん、ありがとう。 


とくに、ミ○ちゃんありがとう。 


あなたのおかげで、爺は涙もろくなってしまいました。 




そして、アメブロさん、ありがとう。 


今期目標の第一はクリアー。 

さあ、気を良くして、もっと大きな今年度目標目指して、さらに精進いたしまする。 


今年は土日もヤボ用、ヤブ用多々あれど、ぐわぁんばりまするぞな。