
ボーッ。
ボーッ。
腹に響く、低く太い汽笛が鳴った。
私は船員から渡されたテープを、思いきり岸壁に向かって投げる。
黄色い紙テープが、灰色の艀の上を転がっていった。
霞んだ視界の中でも、時子がそれをしっかりつかんだのが見えた。
ボーッ。ボーッ。
出港の知らせが、無情に鳴り響く。
嗚咽が止まらなくなった。
倒れそうになる時子を、真知子が支えている。
さよなら、礼文。
さよなら、時子。
テープがくるくると回りだす。
が、テープはすぐに回らなくなった。
残すところのなくなったテープの端を私は握り続ける。
一瞬、ピーンと張った黄色いテープが、非情にも裂け、海の中にしみ込んでいく。
「時子!時子!」
私は心の中で呼び続けた。
どれだけ涙を流したろうか。
おそらく、私の人生で流す涙の半分くらいは、あの2時間の船の中で流したに相違ない。
私はその日から、泣いた記憶がない。
少なくとも、人前で涙を見せたことはない。
が、最近、また、瞳が潤み出した。
アメブロのブロガーさんたちから、暖かい涙をいただいているからだ。
ひょっとしたら、忘れていた涙を流すために、ブログ記事を書き、読んでいるのかも知れない。
皆さん、ありがとう。
とくに、ミ○ちゃんありがとう。
あなたのおかげで、爺は涙もろくなってしまいました。
そして、アメブロさん、ありがとう。
今期目標の第一はクリアー。
さあ、気を良くして、もっと大きな今年度目標目指して、さらに精進いたしまする。
今年は土日もヤボ用、ヤブ用多々あれど、ぐわぁんばりまするぞな。