
ちょっと待ってくれ。
魚が高血圧ではないと、どうして分かったのでしょうや。
はい、血圧計りますよ。腕をまくって!
と言われたところで、お魚さんには手も足も出せない。
確かに、金魚あたりは冬場に寒かろうと、温かいお湯など入れてやると、金魚鉢の上に浮かんで気持ち良さそうに寝てしまうから、多分低血圧なんだろうけど。
まてよ、魚でもえらく高血圧に悩んでいそうなのがいた。
そいつは、沼の底にじっーとしていて、目の前に餌がやって来た時だけパクリするやつだ。
そう、あの沼の哲人、悩みを餌にしている山椒魚ってヤツのことですよ。
はあ?
何?
山椒魚は魚ではない?
いや、しかし、しっかり魚っていう文字が名前についているではないかい。
はっ、そんな例はたくさんある?
ハチドリ、スズメバチ、キツネザル……。
確かにな。
でもな、それと山椒魚は違うんじゃい。
いいか、ハチドリっていうのは、ハチみたいに小さい鳥、スズメバチは逆にスズメみたいなでっかいハチ。キツネザルは、キツネみたいな顔つきをした猿だから不思議じゃあない。
山椒魚を同じように考えたら、山椒みたいな臭いがする魚じゃわい。
たから、科学的なことはしらんが、文学的には山椒魚は魚なんじゃ。
なになに。
それではブタクサは、ブタみたいな草であるのかと聞いているのか?
ははん、そんなことを言うとは、馬のような鹿のことを知らない……。
……。
爺の頭が固まってしまった。
こういう時には、Alt.Del.Contl。
ピー。
さて、再起動完了。
魚が高血圧にならない理由は、小学生でも知っていますよ。
彼らはずっと水の中にいます。
だから、飛行機に乗って海外旅行に行きたいなどと、いらぬ夢に悩まされたりしません。
タバコも吸いませんし、水の中では、携帯電話も使えませんから、ワンクリック詐欺の心配もありません。
また、カップ麺ばかり食べたりして過酸化物やコレステロールの多いものを食べたりしませんから、そりゃ血液サラサラですよ。
海藻のヨードなどミネラルは、自然に口に入ってきますから、まあ、健康なはずですわな。