
先週はかなりハードな日が続き、実は1日部屋で寝込んでしまっていた。
夕方のこと。
ふらつく体でタバコ買いに出かけようとしたら、入り口にバイクが止めてある。
???
また長男の友達でも来て、バイクを我が家に置きっぱなしにでもしていったのかな?と思った。
コンビニでタバコを買い家に戻ると、息子が冷蔵庫を物色中である。
「外のバイク誰んのだ?」
少しぶっきらぼうに聞く私。
最近、息子が可愛いいお嬢さんにもてているようなので妬いているわけではない。ましてや、自分もあの若さに戻れたら、もう一度人生をやり直し、もっと積極的に生きたいものだなあ、などというむなしさからでもけしてない。
たぶん。
と、息子は言った。
「俺のだよ」
「どうやって……」
「バイト代貯めて買った」
ほう、これはまいった。
なかなか、やりおるわい。親が不出来だと、ここまでなるかい。
「免許は取ったんだろうな」
とにかく、小6の次男に「お兄ちゃんは偉いけど、なーんにも知らない」という知識レベルで、高校に入れたのが奇跡なら、赤点の山の中、一夜漬けで期末テストをしのいできた長男である。
だいたい、息子は高校3年間でノート数冊しか使ってないのではないだろうか。へたすると、私が数日で使いきってしまう量だ。
生まれた時は、とても私など及ばない才能があるぞ、と思われたが、所々の事情で全く勉強には興味がなくなった。
だから、ひょっとして、こいつはバイクに乗るには免許が必要だということを知らないのではないか?との危惧から、私は疑問を口にしたのである。
いらざる心配だったようである。
しかし、よく受かったものだ。
確実に計算力も英語の知識も、いや、学校教育内容に関しては、弟に劣ること請け合いである。
ただ、人間性に関しては、中学生ですでに私を越えている。
と、親バカな私は思っている。
最近、長男の帰りが遅い。
バイトの後、自分のために時間を使っているようだが、親父のようにタバコも酒もやらない。
いや、未成年だから、これは当たり前か。
バイト先でテニスに興じ、さんざん体を痛めつけ、もとい、体の鍛練をしてフラフラになって帰ってくる。
どうも、長男は高校はやっとのことで卒業にこぎつけたようだが、家からも卒業できそうな雰囲気である。
なんだかんだ偉そうなことを言っている私こそ『卒業』は、まだ遠そうだ。
そうそう、今日は定期検診の日である。
20代後半から40才くらいまで、歯医者と腰を痛めて海外の病院に入ったことはあるが、それ以外に病院とは疎遠だった私。
最近、月1回程度とはいえ、急に病院と仲良しになってしまった。
私の予定には、貧しい生活の可能性は入れておいたが、病院通いのスケジュールを入れ漏れた。
早いところ、この病院通いからも『卒業』したいものである。
結局のところ、私はまだまだ、いろいろな面で『卒業』はお預けである。