
「わからないから書けない」では、かつて千葉笑い年間天賞をいただいた『島ちゃん』が許さない。
あの世で相撲・プロレス界に苦言をばしてくださっているであろう小島先生にも、将来叱られてしまう。
ということで、今の私にとっては異次元世界のことを妄想、暴走してみよう。
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以下はフィクションであり、事実とは一切関係がありません。ですから、文章中の『私』とは、当然『しま爺』たる私ではないことを、あらかじめお断りしておきます。
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その娘は、ギターを抱えて部屋にやって来た。
?と、私は思ったものの、ちょっと変わった子だなあ、くらいにしか考えなかった。
彼女がギターを弾き始める。
ややあやしいアルペジオ。私はFコードさえ満足に押さえられないから、まあ、私よりはうまいか。
なんでギターを持ち込んで来たのかは、その時は知る由もなかった。
私は、休みの日にはそうするように、いつも通り冷蔵庫からビールを取り出し、プシュとした。
勢いよく泡が飛び出す。
「おっとっと」
私は、声をあげて、やや大きめな音をたてて、泡をすすった。
が、それがいけなかった。
彼女の得意とするものへの無視と取られたのである。
これは、彼女の全人格の無視という、私にはその飛躍した論理を理解するのに多大なエネルギーを要したナパーム弾となり、視界にあるすべてが炎に包まれた。
というか、なぜその娘がそこにいるのかさえ理解に苦しむ私には、その存在がなぜに私の世界を火宅に変えるのかなどを理解できるはずもなかった。
それはちょうど、火星にいたかも知れない単細胞生物の化石を、地球から子ども用望遠鏡で探すことに似ているだろう。
その日の夕方、私はぼうぼうと燃えさかるレンタルコンドミニアムを後にし、みどりのいる店に行った。
治ることのない傷を、少しでも癒して欲しかったのかも知れない。
「まだ、来ていないの?」
「ええ、今日はちょっと……」
チーママのさゆりが少し小声で言った。
誰かと同伴なのかな。
嫉妬とか妬きもちとかいう感情を理解できない私だったが、その時は、無性に淋しい思いがした。
この業界にありながら、嫌いな客が膝でも触ろうなら張り手までしかねないみどりだが、私には優しかった。
小ぶりの二つ丘くらいまでは、許してくれている。
多分、強ぶっている私の弱さをわかっていたのだろう。
私はまるで、みどりに浮気でもされたかのような気分になった。
が、けしてそれはメラメラと燃え盛るものではなく、消える直前のろうそくの炎のような、一瞬の心の揺らぎにも似ていた。
小一時間待ってみどりがやって来た。
同伴ではない。
少し髪を切ってきたようである。
あまり不恰好に思えて、仕事を休もうかと思っていたらしい。
「切りすぎ!」とプンプン怒ってはいるが、その目はむしろ優しかった。
私のろうそくの炎が消えるのには、まだあと少し時間がありそうである。
その時にはまだ、コンドミニアムの炎が隣屋まで延焼することなど、だれが想像しえたであろうか。
その時もまだ、
私は、みどりの心の羽根布団の中で、まどろみの世界を漂っていたのである。
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アメブロさん。ごめん。
結局、ネタの答えにはなっていませんなあ。
今日はだめだ。
ダウンして、休ませてもらった。
ああ、後がこわい。