ながーい物語 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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先日、中国殷王朝の滅亡にまつわる話として、妲己のことをお話しました。 


さて、今夜は妲己と同じくらいながーい話を、西洋の神話から探してみましょう。


ギリシャ神話の中に、ペルセウスという英雄が出てきます。 

ペルセウスは、ギリシャ神話最大の英雄と言ってよい、ヘラクレスの義祖父にあたり、アンドロメダ姫を海神から助けた英雄として知られています。 

また、見る者すべてを石にしてしまう、髪の毛がヘビというメドューサという怪物(本当は類まれな美女だったが、高慢でひねくれていたので怪物にさせられた)を討ち取った者として、さらに、地球を支えるのに疲れたアトラスの願い通り、メドューサを見せて身体を石に変えてやった者として知られています。 


ペルセウスがアンドロメダを救うような話、つまり男が生け贄などになるはずの乙女を救う話は、世界に広がっており、民俗学などでは、ペルセウス-アンドロメダ型説話などと呼ばれています。 

日本神話ですと、くしなだ姫をヤマタノオロチから救いだすスサノオの話が、その代表と言えるでしょう。


さて、このペルセウスにも、中国妲己に似たながーい話があります。 


ペルセウスの母はダナエというのですが、彼女はアルゴス王の娘でした。 

アルゴス王はある時、ダナエから生まれる子どもにより殺されるだろう、との神託を受けます。 


そこで王は、愛娘を青銅の塔に閉じ込めてしまいます。 が、ギリシャ神話の最高神であり、かつ、もっとも好色者であるゼウスに見初められ、黄金の雨に身を変えた彼により子を宿します。 


これがペルセウスです。 
ペルセウスは数々の試練の旅を終え、母の故郷にやってきます。ここで、一般参加した円盤投げで、あまりに飛び過ぎた円盤が、観客席にいた祖父(元アルゴス王)にあたり、見事というか、不幸にもというか、神託が成就されることになります。 


この話は、私の時々お邪魔するブロガーさんが、ある朝、カーテンに差す日の光に黄金の雨を思いだしたように、知っている方もかなりいらっしゃるとは思いましたが、妲己の話との類似、ながーい話ということで記事にしてみました。