あまり知られていない、日本語の世界 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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日本語には、あまり知られていない大きな特徴があります。 

それは、ラ行で始まる古い言葉がない、ということです。 

うそだと思ったら、ラ行で始まる言葉を考えてください。 

ラジオ ライブ ライン ラッキー ライト 
リンク リスク リスト リーグ 
ルート ルール ルーム ルーツ 
レストラン レベル レース レポート 
ロボット ロック ローカル ロング 

これらは、すべてカタカナ書きになることからも分かるように、英語など、最近日本にやってきた言葉です。 

では、カタカナではない言葉も見てみましょう。 

来年 楽勝 落日 卵黄 乱闘 螺旋 
理由 立派 了解 利益 料理 旅行 
留守 類似 累計 涙腺 流転 瑠璃 
冷静 歴史 連絡 練習 恋愛 例年 
老人 路線 労働 露天 論文 廊下 

これらは、一見昔からの日本語に思われますが、中国語がなまって日本語読みになったか、近年日本で作られた言葉です。 

例えば、瑠璃は中国語のリィウリィがなまったものでしょうし、例年はやはりリィニィェンがなまってたものでしょう。 

これらの言葉は音読みが基本であることから、中国語由来と考えてよいでしょう。 

漢字には音読みと訓読みがありますね。 

例えば【和】という漢字は、音読みではワですが、訓読みではなごやかの“なご”と読みます。 

音読みは漢字そのもの、つまり中国から伝わってきた音に近く、訓読みはその漢字に、もっとも近い古い日本語の言葉を合わせた、と考えられます。 

例えば【技:ジィ→ギ】には、“わざ”という日本語をあてはめ、【雲:ィウン→ウン】には、“くも”という日本語をあてはめていったわけです。 


こんな風に見ていくと、確かにラ行の言葉に、純粋な日本語らしい言葉を見つけられなくなってきます。 

幼い子どもとのしりとりで、ラ行の言葉、特に“る”がきた場合、子どもに分かる言葉を探すのに苦労した経験がおありではないでしょうか。 


実はこれは、古い日本語にはなく新しいもの、あるいはやや難しい熟語であることが多いからなのです。 

どうしてそうなるかは、もうお分かりでしょう。 


この“ラ行から始まる言葉がない”という特徴は、お隣の朝鮮語などにもあてはまります。 


また、訓読みの方がなんとなく、柔らかさや優しさを感じてしまう傾向があるように思われます。