
空は、空色でいい。ただ、清少納言も言っているが、夕暮れに空の色がだんだん青紫から赤紫に変わっていき、そこに細長い雲なんぞがあって、徐々に色を変えていくのは風情がある。

ところで、空を[くう]と読まずに、[そら]と訓読みした場合、これは日本語独自の言葉と思いがちだ。
実際、日本語語源研究者で、[そら]に対して外国語と比較している方は、極めて少ない。
しかし、日本語のsoraという音に近い発音で、空または天を意味する言葉は結構ある。
さっと見ただけでも、
満州語:sangga(何もない)
ジャワ・スンダ語:sela(天)
マレー語:sela(天)
ベトナム語:choi(空)
タイ語:thoang faa(空)
トルコ語:sema(空)
などがあり、古代エジプトの空またはその神を表す、shuuもまた、似ていると思えば似たようにも思われます。
フランス語のciel(空)も、子音音は同じと考えてよいでしょう。
また、空は[から]のことですよね。マヤ語ではどうやら、空(から)であることをkaanと言っていたようです。
実は、アメリカ大陸の原住民であるマヤやインカの言葉には、えっ! と思われる日本語と音も意味も似た言葉が多く見られますが、これに関しては、また別の機会に譲ります。