昨年までなら、一年で最も忙しい時期だから、毎年かなり無理をして働いていた。
が、そろそろ体に申し訳なく、また、そうやって無理したところで、健康管理不足と言われ、挙げ句のはては安給料、さらに下げられたら泣き面に蜂だ。
原子力発電所から電線引っ張ってきて、一年がかりで豆電球付けた方が、毎日自転車こいでライトつけているより、素晴らしいことらしい。
使い道ないだろうが!
もう、ごめんなさい。
あほらしくて、必死で働く気力なしというのが、まあ本当のところでしょうな。
さて、愚痴はこれくらいにして、昼ご飯の話をしよう。
スーパーで見慣れない魚を見つけた。
『どんこ』
とある。

外見は、悪い。
が、アンコウ同様、こいつは美味いぞ、と私の第六感がささやいた。
外面は焦茶色で、体型もずんぐりむっくりだが、えてしてこの手の魚は白身で、口当たりが良いものが多い。
というわけで、早速料理にとりかかる。
全体像を見ると、ひどく恐ろしげな魚も、目は愛嬌があってかわいい。
誰かさんの真似して、かわいいおめめのアップ。

料理といっても、この魚は初めてだ。
しかし、鍋にしたら美味いはず、と決めつけ、このどんこと白菜だけのシンプルなものとした。
この、どんこなる魚の味を知りたかったこともある。
どんこをぶつ切りにする。
タイやヒラメほどではないが、白身系だ。
アンキモそっくりの肝臓、タラコのような卵も入っている。
これで、味は保証できるぞ。
鼻歌まじりにアクをとり、目一杯白菜を入れる。

最後に、味ポンを入れ、額の裏庭に自生、セロリと間違われそうなほど巨大化した三ッ葉を入れたら完成だ。

しかし、千葉って本当に冬がありませんねえ。
この時期、緑の野菜があるわけですから。
それに、この三ッ葉、百円ショップで冗談に買って、肥料もやらず(いや、深く穴を掘り、落ち葉などを敷いたから、今はやりの有機農業である)放っておいたものだ。
ああ、自然に感謝。
さて、どんこ鍋の味。
予想以上に美味いです。
なんとも言えない、肝から出てきたアンキモ風の油風味、素晴らしい。
この味は、鍋としてトップグループに入れていい。
美味い。
また、作りたくなる。