
なかなか憎い企画だ。
100円でも、10000円でもないところに味がある。
今どき100円では、バスにも電車にも乗れないだろうから、おのずと100円ショップの一品か、駄菓子、ポストカードの類になってしまう。
花や野菜の種というのもあるが、気長な人ではないとダメだ。
10000円以上になると、あまりにいろいろあって、収拾がつかない。
だから、500円という金額は、絶妙なところだろう。
さて、では何を求めようか。
今の日本では、500円の価値は、あまりにも低い。
店によっては、ショートケーキひとつさえ買えない。100円ショップでなら、チョコやスナック5個買えるが、あっという間に口の中へと消えていくだろう。
旅はもちろんできない。子ども料金でも、数駅を往復したら、そのくらいかかる。
うーん、とうなっていたが、答えは、ごく身近にあった。
というか、私はそれを既に実行していた。
500円で、夢旅行に出かけるのである。
とは言え、宝くじやLotoに投資?するわけではない。
まずは、100円ショップで、画用紙と毛筆を買う。
絵の具は、ディスカウントショップで、7色くらいあるもので我慢しよう。これが300円。
さあ、これで夢の世界へ入る準備ができた。
パレットや水入れなんぞは、敢えて買う必要はない。肉や魚を入れた、スーパーの発泡スチロールがあれば、十分パレットの役割をはたしてくれるし、水入れなんざ何でもよい。
もし、こうしたものが、既にそろっている場合、例えば、子どもの使った残りがあったなら、文房具店でケントを買うだけだ。
一枚一枚に、夢を、思い出を描いていこう。
下手だってかまわない。
気長でない方は、ハガキ大にでも切って、描いていこう。
今は、学ぶということに関しては、本当に便利になった。
分かりやすく、丁寧に、無料で、いろいろな描写方法を、具体的に解説してくれているブログもある。
私なども、時々覗いては、うならされている。
下手だって仕方ない。とにかく元手が元手だ。
『弘法筆を選ばず』
というが、あれは嘘である。
いい材料、器具を使わないと、本当に素晴らしいものはできない。
だから、大作を作ろうなどと考える必要もなければ、また、できないだろう。
しかし、100円の画用紙、または500円のケント紙というのは、結構使い手がある。
実は、私のプロフィールの絵は、こんな風にして描いたものだ。
最近、ブログを始め、それへの書き込みに専念するようになったせいもあるが、この春に買った100円画用紙が、まだ残っている。
井上陽水ではないが、見つかるかどうか、本当に必要かどうかわからない探し物に時間を取られているなら、皆のブログを覗き、嬉しい涙を分けてもらったり、頭の中だけでも若返ってみたり、絵を描き夢の世界に遊んでいたい。
あるかどうか分からない物を、探すことは大切なことだ。
また、若い時には、無駄と分かっていても、それが必要な場合が多い。
しかし、年とともに自然に省エネが身に付いてくる。
陽水の、あの半オクターブは高い曲を、静かに流しながら“絵”という、夢の世界へでも旅だってみよう。