
年をとるに従い、食べるものは、だんだんあっさりしたものへと変わっていく。
脂身たっぷりのサーロインより、刺身や白身魚の煮付けなどというものに、美味さを感じるようになってくる。
おでんも同様だ。
そもそも、おでん自体、比較的淡白な食べ物であるように思うが、その中でも、卵やちくわなどたんぱく質系のものより、大根などに手が伸びるようになっていく。
とは、言うものの、ふっと思い出したように、肉を、アミノ酸の旨みを、しっかりと噛みしめてみたくなるときがある。
そんな時、おでんに入れてみたいものがある。
それは、本来おでんの具というより、スープの出汁などとして使われるものである。
オックステール
これは、なかなかいける。
ただし、スーパーなどで、出来合いのおでんセットを買い、温めるだけでおでんができる、と考えている方たちには、お勧めできない。
最低でも3時間、
できれば、半日煮込み、1日寝かせてから、さらに煮込んで口に入れたいからだ。
待つことに慣れた人向けの具かもしれない。
何かに似て、
噛めば噛むほど、
味が
わかってくる。