
ここ数日のうちに、急に冷え込んだためか、確かに風邪気味の人が増えているようですね。
たった今も、満員電車の中で、私の立っている前の人が、くぐもった咳をしています。
新型ウィルス発生地のひとつである、中国華南地方西部に調査に行かなくてはなるまい、とノエル博士が言っていた。
なんでも、新型ウィルスとかいうのは、あの辺の農業と大きな関係があるらしい。
かの地方では、ブタ、アヒルが放し飼いにされている。
博士の話では、新型ウィルスは、基本的に人間が発生源であることは、大変少ないそうだ。
新型インフルエンザの多くは、だいたい次に述べるようにしてできるらしい。
まず、森林や土の中にいる何らかの病原体を、ミミズやシロアリといった小動物が食べる。
それを、ガンなどの野生の鳥が食う。
野生の鳥が、民家近くにやって来て、アヒルなどに接する。
そのアヒルは、同居人のブタに、野鳥からもらった病原菌を移す。
そのブタからヒトへ。
これが、もっとも一般的な、新型インフルエンザのルートだそうだ。
アフリカや東南アジアで広まっている、出血性の病気も、おおかた似たルートだと言う。
ノエル博士によれば、環境破壊が関係しているという。
なんでも、本来人間が踏み入れてはいけない土地にまで、開発を進めたからだ、というのが、博士の持論だ。
つまりは、自己中心的な人間の、自業自得というわけだ。
ところで、最近たいへんな感染力を持つ、新型ウィルスが蔓延しているのを、ご存じだろうか。
どうも、私にも感染してしまっているかもしれない。
いわば、私は潜伏感染者である。
大新聞などでは、まだ公表を控えているようだ。
ここの読者の方だけに、こっそり教えておこう。
その
感染拡大が懸念される病気の名前は、
アメブロ・インフルエンザ
である。
主な症状は、PC、携帯依存、睡眠不足、誇大妄想である。