
イボイノシシ
あまりポピュラーではないこの動物。
アフリカのサバンナ、つまり、ライオンやシマウマたちの住む草原にいる、ブタのご先祖様のようなヤツである。
こいつの面白いところは、なんとも奇妙な出で立ちもそうだが、一物ある性格(?)だ。
キリン、シマウマのような美しい姿は持たないが、そのこころばえたるや、賞賛に値する。
とにかく、ライオン様を恐れない。
からかったりさえする。
どうも、百獣の王とこの異形の主の間には、お互いに入ってはいけないエリアを以心伝心わかっていて、見えないルールがあるように思える。
だから、イボイノシシはライオンをからかったりもできるし、ライオンも本気でイボイノシシを追ったりしないのだろう。
この両者の関係は、なんともおかしく思わず笑いが出てきてしまう。
私は、そんなお互いをわきまえた関係ができていることが、羨ましいと感じるしだいだ。
まあ、万年青年、大人になりきれぬ私には、
箒を伸ばして月を取る
のに等しいのかなあ。
そんな私がイボイノシシになれるような関係ができる方がいたなら、いいだべなあ。