芝神の都瑠香 10「止めぃ、止めぃ。一人に寄ってたかって何をしておる」男たちの動きが、一斉に止まった。「こやつが、その・・・」若衆頭らしき年かさの男は、一旦開いた口が重くなる。「なんじゃ、はっきり申せ」「・・・、その・・・、都瑠香様を」「なにぃ」頭(かしら)の顔が険しくなった。頭は、ぐったりとし、背中を向け、かろうじて肩で息をしている男を足で裏返した。と、次の瞬間、男の表情がガラリと変わった。