女の視線が、粘りある黄色いものへと変わっていく。
女は、ほつれ毛のまとわりつく細いうなじを見せつけるかのように濡れた髪の毛をたくしあげ、ゆっくりと体を回した。
双つの丘、その先に咲く薄桃色の突起が、一層優麗な曲線を際立たせる。
そこから放たれる桃源郷の香りにも例えられよう、杏子の甘さと酸味を混ぜ合わせたような空気が、女の体を包んでいる。
女は、さらにゆっくりと体を回していく。
小股の上にある、より大きな、しかし、きりりとしまった丘が顕(あらわ)になる。

女はすずろ首を回し、今度は陰りある鈍い光を投げ掛けてきた。
「ほう、ふーむ」
最仁は、今度は驚嘆ともとれる低く余韻のある声を出した。